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先月発生した中国の四川・大地震がM8.0だったことから、相対的に今回の地震の被害はほぼなかったといっても言いすぎではないぐらいだ。秘訣は緻密な地震対策にあった。日本は世界で地震が最も頻繁に発生する国だ。それだけ数多くの被害を受けている。
95年にM7.3の強震に見舞われた阪神大震災では死者だけでも6434人にのぼり、建物およそ34万棟が破損した。今回の東北内陸でも激しい地震の揺れがあり、家の中でまともに立つこともできないほどの地震波に襲われた。地盤が弱い山村では山崩れが相次ぎ、道路と橋梁の崩壊が続出し、村が孤立することもあった。余震も270回以上発生した。
それにもかかわらず被害が地震の規模に比べて少なかったのは、日本政府と民間が長い間緻密に地震対処策を研究した結果、地震被害の相当部分を統制することに成功し「地震防災大国」に生まれ変わったからだ。天災はやむを得ないものの、被害は人の努力で減らせるということを示したものだ。
一番の秘訣は迅速な地震速報システムだ。14日午前8時43分、強震が発生するとテレビの画像には「岩手・宮城など内陸地方に強震発生」という緊急地震速報の字幕が表示された。今年稼働を本格化させた日本気象庁の緊急地震速報システムが地震波を検知し、自動的にテレビ局のシステムに伝えた。
気象庁関係者は「この日の地震は地中から衝撃が上がってくる直下型地震で、一部地域ではテレビの報道以前に地震波が到達しているが、多くの地域ではあらかじめ地震発生が伝えられ、避難する最小限の時間を確保できたのは大きな進展だ」と話している。
今回の震源の深さは10キロだった。そのため地震波が広がるとき、都市周辺のビルはまるで水上に浮かんだ木の葉のようにひどく揺れた。M6以上の衝撃が都市を強打すれば、耐震設計でない建物の大半が倒壊する。しかし今回東北地方では幼稚園のガラスが割れた程度だった。
日本は阪神大震災以降、建物に対し、M7にも耐えられる耐震設計を義務付けている。それで96年以降に発生した日本の地震では人命・住宅の被害が大きく減った。地震発生以降の迅速な対応システムも際立って見えた。福田康夫首相を中心に日本の内閣は緊急被害状況の把握と点検システムを稼働した。
首相官邸危機管理センターに官邸対策室が設置されたのは地震発生から7分後の午前8時50分だった。同じ時刻に防衛省は災害対策室を立ち上げ、岩手県と宮城県には救助活動の自衛隊のヘリコプターを投入した。福田首相は「救助活動に総力を挙げるように」と内閣に指示した後、24時間態勢で報告を受けた。
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