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バーシュボウ駐韓米国大使(写真)は、韓国政府が「米国産牛肉の再交渉論」を持ち出した3日「韓国人は米国産牛肉の科学的な事実についてもっと勉強しなければならない」と述べた。
そうした同氏が5日「韓国国民の教育水準が最高のレベルとの点をよく知っている。自身の発言が韓国民に不快感を与えるものに受けとめられたのは残念」と一歩ひいた。
その間どんなことがあったのだろうか。バーシュボウ大使の考え方が変わったのだろうか。韓国と米国の外交筋によると、ホワイトハウスと国務省の叱責があったもようだ。
米ワシントンの外交筋は6日(現地時間)、バーシュボウ大使の態度変化に対し「ホワイトハウスがバーシュボウ大使に外交官として言動を慎むように」と忠告したと伝えた。同筋は「バーシュボウ大使が5日自身の発言について遺憾を表したのは、ワシントンから警告があったため」とし「今後米外交官が韓国民を無視するようなコメントをすることはないだろう」と話した。また「バーシュボウ大使が所属する国務省も同氏の発言が“外交的に適切でない表現だった”とし、遺憾の意を韓国外交通商部に伝えたと聞いている」と明らかにした。
ソウルの外交筋は「米国は02年の在韓米軍装甲車によるヒョスン・ミソン死亡事件が、韓国の大統領選政局で反米ろうそくデモの形に激化したことに関し、当時のハーバード駐韓米大使の不十分な状況対応が一役買った、という判断をしている」とし「そうした観点から最近バーシュボウ氏の発言の影響を注意深く見ていた」と述べた。同筋は特に7月初めに予定されたブッシュ大統領の訪韓を控えて、韓国で反米感情が広がってはならない、というのがホワイトハウスの判断だと付け加えた。
ほかの外交筋は「07年の大統領選当時、米国の対韓政策の優先順位も“反米問題が問題化しないようにすること”だった」とし「当時防衛費分担金の交渉などといった敏感な交渉日程を打ち切ったのもそうした脈絡からのもの」と説明した。
◇ 「同盟と利益の間で当惑」
一方、米国産牛肉問題に関し、米議会の気流は「当惑している雰囲気」とされる。ソウルの外交筋は「議会が同盟関係と米業界の利益の間で悩んでいる」とし「韓米が協議している業者の自主規制による月齢30カ月以上牛肉輸出規制案に対しては理解している方だが、こうしたことが再発する場合、スーパー301条(88年に施行された米国の包括通商・競争力強化法の対外制裁に関する条項の一つ)の発動などといった制裁措置を取るほかない、という強硬姿勢もある」と伝えた。
保守志向の米紙、ウォールストリートジャーナル(WSJ)は6日「米国で一年間消費される牛肉の約2割が30カ月以上であり、そのような牛肉の大半がハンバーガーの形で消費されている」と報じた。同紙は「米国の牛肉輸出業者は、海外にはさらに月齢が低く収益性の良い牛肉を輸出している」とし「03年の場合、米国が韓国に輸出した牛肉のうち、30カ月以上は3割未満にすぎなかった」と主張した。
同紙はまた「米国産牛肉の輸入再開をめぐる韓国民のデモが、歴史的に愛憎関係にある同盟国の韓国と米国の政治危機に発展した」とし「牛肉問題が米議会の韓米自由貿易協定(FTA)批准で障害になりうる」という見方を示した。
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