福田康夫日本首相が6日、首相官邸で沖縄の「かりゆし」を着て閣僚会議を主宰している。首相と長官たちはエネルギー節減と環境保護効果が高いノータイ・シャツのクールビズをPRするため、この日の服装をかりゆしウエアで統一した。(時事通信提供) |
香港、“軽装上班運動”
シンガポールでは一年中クールビズ
6日午前、日本の東京永田町の首相官邸。福田康夫首相がノータイと黒いシャツで閣僚会議場に現われた。町村信孝官房長官ら閣僚たちの間で嘆声が上がると、首相は照れくさそうに笑った。首相と閣僚たちがこの日着た服は沖縄の伝統シャツである“かりゆし”。天然染料で染めた日本版アロハシャツだ。
福田首相は過去、官房長官時代、土用の暑さにも「(ノータイは)私の流儀に合わない」という理由で洋服とネクタイにこだわった“スーツ派”だ。しかし、この日は "エネルギー節約と温暖化防止のために首相が率先してクールビズ(cool biz) キャンペーンを実践しなければならない」という周囲の助言により、かりゆしを着たのだ。クールビズは暑い日にネクタイと洋服の上着を脱ぎ捨て、カジュアル・ビジネススーツを着ようという運動だ。日本の環境省はネクタイをしめなければ体感温度が2度程度下がるものと計算している。それだけ冷房費を減らし、エネルギーを節約しようというのがクールビズキャンペーンの趣旨だ。
石油価格高騰時代を迎え、エネルギー節約と環境保護のためにクールビズ・キャンペーンを実施する国が増えている。先頭走者は日本だ。2005年から始め、定着段階に入った。
◇日本=クールビズキャンペーン期間の6月から9月末まで日本の官庁、銀行、大企業など大部分のオフィスの室内温度は28度に合わせられる。環境省によれば昨年、クールビズキャンペーン期間中、企業の48%が賛同した。一般人たちの間では髪を短くする“クールビズカット”も登場した。
クールビズキャンペーンの効果は驚くべきものだ。昨年6~9月、エネルギー節約はもちろん、140万トンの二酸化炭素排出量を減らした。300万世帯の1カ月間の排出量だ。京都議定書によって2008年から2012年まで温室ガス排出量を1990年対比平均6%削減しなければならない日本には大きな力となっている。
日本は、冬季には服を一重もう着こんで室内暖房を減らすウォームビズ(warm biz)運動も実施している。三越、伊勢丹、高島屋など大型デパートは、クールビズとウォームビズ期間に男性たちを狙った特別コーナーまで運営している。
日本の環境省は、今年は“クールビズ+1”運動を展開している。クールビズとともにもうひとつの環境のためのよい習慣を身につけようという趣旨だ。▽買い物バッグを持っていき、ビニール袋を使わない▽マイ箸を使ってわり箸の使用を減らす▽エレベーターの代わりに階段を利用する▽エアコン、扇風機の代わりに扇子を利用する▽紙の裏面を使う--などだ。鴨下一環境相は4日、環境省とデパート連合が開催したクールビズ展示会で「クールビズが社会全般に拡散した分、国民一人ひとりが環境保護のための新しい習慣に慣れてほしい」と風呂敷や扇子などクールビズ関連商品たちを紹介した。
香港政府が昨年6月、クールビズキャンペーンを始めた際、イベント会場に現れたドナルド・ツァン行政長官(左から2人目)(香港政府ホームページ) |
◇香港、シンガポール=香港政府は昨年6月から“軽装上班運動”をしている。ノータイで出勤しようという香港版クールビズキャンペーンだ。
初めてこの運動を始めた当時、ドナルド・ツァン(曽蔭権)行政長官が直接エネルギー節約と環境保護のためにすべての公共機関と企業に参加を訴え、爆発的な呼応を導き出した。今年も今月からすべての政府内省庁室と多くの香港内企業が実践を始めた。現在、香港内62万法人のうちおよそ50%である30万法人とフィンランド駐香港領事館など30の領事館が実践している。政府機関である環境保護処はこの運動を拡散させるため、夏季カジュアル通勤ウエアファッションショーまで行っている。
グローバル資産運用社であるUBS香港アジア太平洋本部のマーク・パンダイスポークスマンは「ネクタイをせず、カジュアルな服を着れば相当なエネルギー効果があるので、当社は夏季にスーツを着ろと要求しない」と話した。
一年中暑いシンガポールでは、年中クールビズが日常化された。外交使節同士会う席でもネクタイをしないワイシャツスタイルだ。正装をする場合は政府公式行事など特別な場合に制限される。このためにスーツが必要なときは招待状に「ドレスコード」を入れて、相手がミスをしないように気配りする文化が定着した。
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