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新制度施行、考え直して“思いつき離婚”減る

昨年11月、Aさん(42)夫妻は協議離婚を取り下げた。わずかひと月前、2人は事実上他人同士だった。離婚をすることで合意していた。ソウル家庭裁判所を訪れて離婚届を出した。

そんな夫婦が気持ちを変えたのは、裁判所が強制的に下した「離婚熟慮制」のためだ。裁判所が「3週間後に離婚意思を確認する」と送り返すのだ。「裁判所が提供する相談を受ければ1週間後に離婚できる」とも説明した。

離婚を急いでいた夫婦は早速相談を受けた。その過程で妻は「愛する妻に家に戻ってきてほしい」という夫の言葉を聞いた。離婚後、子供の教育と生計などで家計が苦しい事実も頭をよぎった。家庭の大切さを確認した夫婦は、協議離婚を取り下げることにしたのだ。


最高裁判所はこうした離婚を決心した夫婦たちに「もう一度」考える時間を与える“離婚熟慮期間制”が22日、全国的に施行されると4日、明らかにした。2004年試験的に施行されたこの制度が、改正された民法によってこの日から適用されるのだ。

◇「憎くてももう一度」=22日からは夫婦が離婚届を出す場合、裁判所から必ず離婚に対する案内を受け、養育する子供(妊娠含む)がいる場合、3カ月、短くても1カ月後、離婚の意思をまた確認する。家庭暴力など堪えられない苦痛が予想される状況である場合は熟慮期間が短縮、または免除される。全国的に1~3週間程度、試験的に実施した離婚熟慮期間制が正式に新設されたのだ。

また満20歳未満の未成年の子どもがいたら「養育費は誰がいくら出すのか」「親権者は誰なのか」を決めた協議書を義務的に裁判所に提出しなければならない。このような子供の養育合意がなければ離婚自体が不可能だ。夫婦間の協議が子供の福利に反すれば家庭裁判所がこれを補うよう決定を下す。養育に対する協議が成立しなければ裁判所の審判を受けて提出しなければならない。このような条件を取り揃えた後、家庭裁判所が協議離婚の意思を確認し、当事者は離婚届を出せる。

◇熟考期間10組に2組は和解=ソウル家庭裁判所によれば2004年、離婚熟慮期間制が試験的に実施されてから、協議離婚の取り下げ率が増加している。2004年10%だったのが、昨年は21.1%と2倍以上増えた。

2005年2月以前は午前に家庭裁判所に協議離婚届を出せば、午後3時に離婚確認謄本に裁判所の印が押された。これを居住地区役所などに提出するだけで他人同士となった。

しかし最高裁判所は2005年3月から協議離婚方式を変えた。裁判所が離婚意思を確認する時点を延ばしたのだ。最高裁判所関係者は「離婚熟慮期間制は性急な離婚を阻み、離婚で派生する子供の養育などの副作用を最小化するための制度」と説明した。2005年3月から1年間、協議離婚を取り下げる割合は16%台と高くなった。ここに最高裁判所は昨年3月から熟慮期間を3週間に延ばした。

イ・サンソク弁護士は「離婚しようとする夫婦に時間を持たせなければならない」とし「夫婦げんかが激しくなればプライドの争いになり、よりを戻したくても機会を逃し、そのまま破局に向かう場合が多い」と話す。イ弁護士は「熟慮期間や相談制度などはそのプライドを抑えるための名分になる」と説明した。

◇離婚熟慮制度=協議離婚届を出す場合、性急な離婚を阻むため、夫婦が互いに考える時間を持つようにする制度。2004年12月、ソウル家庭裁判所家事少年制度改革委員会で、相談制度とともに導入することを決め、2005年3月2日から試験的に施行された。



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