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3日午後、ソウルの建国(コングク)大学キャンパス。
前部はスポーツカーに似たような形だが、後方のトレーラーに大きな太陽電池を搭載した異色な自動車が学校内の道路を走った。
スイスを発ち、地球を半周した後、韓国に到着したソーラーカー「ソーラータクシー(Solar Taxi)」だった。
この日、建国大学で開かれた試乗イベントには呉明(オ・ミョン)総長とおよそ100人の学生が集まった。同タクシーに搭乗した経営学科のイ・ウンサンさん(21、女)は「アトラクションに乗っているように揺れて、怖い感じもあったが、一生忘れられない経験になった」と語った。
地球温暖化の深刻性と代替エネルギーをPRするために世界一周に乗り出した「ソーラータクシー」は先月31日韓国に到着した。昨年7月、スイス中部の都市・ルツェルンを出発し、11カ月間にわたって3万キロの長い旅程を走ってきた。韓国は欧州、中東、豪州、中国などを経由し、26番目に訪問する国家だ。
「ソーラータクシー」に乗って世界を一周しているスイス人冒険家ルイス・パルマーさん(37)は同午前、ソウルのスイス大使館で記者懇談会に臨んだ。パルマーさんは「精密なスイスの時計のように、本当によく走る自動車だ」とこの車を紹介した。修理のため、世界を一周した11カ月のうち、たった3日だけ走行を止めたという。
パルマーさんが「ソーラータクシー」とともに世界一周計画を立てた理由は、旅行をしながら地球温暖化の深刻性を目撃したからだ。アフリカで象が水を求めて村にやってくる姿や南米で住民が洪水のために苦しむ光景などの記憶が今回の旅行を決心させた。
パルマーさんは太陽電池を動力源とする自動車の世界一周を企画した後、各企業の協賛と後援をとりつけた。この車に搭載された高効率の太陽電池板はドイツの会社が提供したものだ。「ソーラータクシー」の制作には、スイス連邦工科大学チューリッヒ校などスイスの4大学と企業15社が参加した。専門家およそ200人が加わり、制作期間だけでも3年がかかっている。費用は最高級のスポーツカー、フェラーリ2台程度の価格にあたる数億ウォン(約数千万円)が費やされた。
車の後方には大きさ6平方メートルの太陽電池板と2つのバッテリーが搭載されている。太陽電池板が車の動力の50%を供給し、残りは充電で支える。6時間を充電すれば300キロを走れる。時速は最高90キロ程度だ。6時間の充電に、電気料金は2100ウォンしかかからないという。
「ソーラータクシー」は訪韓期間中に韓国科学技術院(KAIST)、釜山新羅(プサン・シンラ)大でそれぞれ試乗イベントを行う予定だ。5日にはソウル広場で開かれる「環境の日」イベントで、市民のための試乗イベントも行う。この車は10日に韓国を発ち、カナダ・バンクーバーへ向かう。地球の周り4万キロを完走した後、スイスに戻る予定だ。
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