朴三求(パク・サムグ)会長 |
#2.大宇(デウ)建設はもともと1年間に1-2回ほど‘禁煙鍼’を受ける運動を繰り広げるなど、社内禁煙運動に熱心な企業だ。 しかし2年前からはその強度がさらに高まった。 ‘禁煙クリニック’を運営しているのだ。 ソウル中区(チュング)保健所で禁煙補助剤を受け、たばこをやめられない役職員に配っている。 禁煙が守られているかどうかをチェックするため一酸化炭素測定も行う。
禁煙運動に取り組む両社には共通点がある。 最近、錦湖(クムホ)アシアナグループの一員になったという点だ。 大宇建設は06年、大韓通運は今年、錦湖に買収された。 錦湖は禁煙企業として定評がある。 91年に国内では初めて全事業場禁煙を宣言した。 当時のソウル会賢洞(フェヒョンドン)アシアナビル社屋は韓国禁煙ビル1号だ。 系列会社のアシアナ航空は94年、フライト6時間以上の路線をすべて禁煙にした世界最初の航空会社。 翌年からはすべての路線で喫煙を禁じた。
錦湖の禁煙運動は86年8月にさかのぼる。 当時の朴晟容(パク・ソンヨン)名誉会長を筆頭に禁煙に賛同した142人の役職員が、毎日、たばこ代に相当するお金を集め、「錦湖健康福祉基金」を設立した。 89年には社内禁煙標語を公募した。 当選作は「いま喫煙者はあなた一人だけです」だった。
朴名誉会長は全役職員の家庭に通信文を送り、家でも禁煙を督励するよう家族に要請した。 「私たちの最も貴重な資産は人間です。 人間資産を大切にする第一歩は健康です」というのが通信文の内容だった。 役職員に圧力を与えたのは喫煙者に対する人事不利益方針。 「たばこを吸うか吸わないかは各自の権利かもしれません。 しかし私には喫煙職員を昇進させない権利があります」
航空機内の禁煙を率先したのは朴名誉会長の弟の朴三求(パク・サムグ)現グループ会長だ。 朴会長はアシアナ航空社長時代、米州行きの航空機に乗り、喫煙乗客を見て怒りを表した。 座席は禁煙席だが、こっそりと後方の喫煙エリアに来てたばこを吸う客が多かったのだ。 また喫煙席の後ろで働く女性乗務員の苦しそうな姿を見て、「職員から保護するべきだ」と決心したという。
機内での禁煙が進められていた95年、アシアナ航空イントラネット匿名掲示板にある職員がコメントを書き込んだ。 「機内喫煙を禁止しながら、機内でたばこを販売するのはおかしい」という内容だった。 機内免税品販売順位でたばこは酒とともに1-2位を争う品目。 しかし朴会長はたばこの機内販売を中断した。
同社の姜柱安(カン・ジュアン)社長は「97年の通貨危機と01年の米同時テロ当時は会社の収益が急減し、たばこをまた販売しようという意見もあったが、最高経営陣はたばこ不買原則を守った」と伝えた。
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