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近く米国産牛肉の輸入が再開されれば、原産地表示を監視するいわゆる「牛パラッチ」と「食パラッチ」が蔓延するものと見られる(訳注:牛パラッチ=牛肉の“牛”とパパラッチの“パラッチ”を合わせた造語。食パラッチ=食堂の“食”と“パラッチ”を合わせた造語)。
原産地表示が義務付けられる飲食店数が計約57万店にのぼるのに対し、常時取り締まり担当者がおよそ650人にすぎない現実を踏まえ、政府は報奨金を出し、市民が自発的に監視・取り締まるよう誘導する計画だ。
報奨金は最大200万ウォン
現在、農林水産食品部(以下・農食品部)が告示した報奨金の支給基準によると、▽原産地を偽って表示した物量の価値が500万ウォン(約50万円)未満ならば10万~50万ウォン▽偽って表示した物量の価値が500万~10億ウォンならば100万~200万ウォン▽未表示過怠金が50万ウォン以上ならば10万~50万ウォン--を、申告または検挙した民間人にそれぞれ支給しなければならない。
しかし同基準はこれまで流通段階の原産地表示への取り締まりに適用されたものだが、今後は飲食店も対象に含まれるだけに、現実に適した基準に再調整する作業が必要とされる。原産地表示への取り締まりを行う農食品部傘下・農産物品質管理院(以下・農管院)の関係者は「いったん最大の報奨金200万ウォンはそのままにしておくものの、支給基準の詳細・金額は見直さなければならない」とし「今月末、新しい農産物品質管理法を実行する時点に合わせて、基準を作る計画だ」と明らかにした。現行の基準をそのまま適用する場合、原産地表示のない食堂1カ所の申告で最低10万ウォンの報奨金を支給しなければならないが、対象飲食店が57万店に達する現実から考えれば、予算を組みにくいだけでなく「申告を業とする者」が量産される可能性が高いからだ。
昨年の1年間、流通過程の農産物不正流通事例を民間人が申告した件数は910件にのぼり、計2億3550万ウォンの報奨金が支給されている。
検疫員は逆に減少
保健福祉家族部と韓国飲食業中央会などの資料によると、全国に一般飲食店数は約57万3000店、牛、豚、鶏肉を扱う店舗は約22万8000店にのぼる。特にそのうち、米国産牛肉の主な需要先の焼肉店だけでもおよそ4万4236店だ。
政府はこうした対象拡大に応じて、農管院の特別司法警察を400人から1000人に増やし、自治体の人材243人、生産・消費者団体など名誉監視員3530人を合流させて、616班・4773人の取り締まり班を運営する計画だ。
しかしこれは米国産牛肉を輸入する初期(6~8月)の特別取り締まり期間に適用する運営計画であるだけだ。9月以降の常時取り締まり班は、農管院の職員112人(原産地取締りを担当するソウル警察庁112申告センターの機動隊)と名誉監視員500人など計612人(56班)から構成され、農管院の15人、韓国産牛肉協会の流通監視団30人など45人(15班)による「専門取り締まり班」は、最も大きな懸案の飲食店牛肉原産地表示への取り締まりを担当する予定だ。
こうして全国にあるおよそ57万店への原産地表示取り締まり業務は、わずか657人(612人+45人)に減ることになる。さらに米国産牛肉に対する検疫を担当する国立獣医科学検疫院の関係者は「新政府の組織改編によって、すでに検疫院の定員が619人から585人に減り、検疫官と研究員が非常に不足している状況だ」と話している。
鄭雲天(チョン・ウンチョン)農食品部長官は先月29日、崔燾一(チェ・ドイル)農産物品質管理院長に「いったいどれぐらい業務の量が増えるのか」と不安をのぞかせた。「増員を要請したが、政府の基調が組織削減であるだけに容易ではない」と話している。
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