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李明博(イ・ミョンバク)大統領と中国の胡錦濤国家主席が行った韓中首脳会談の最も大きな成果は、両国関係を「戦略的パートナーシップ」から格上げすることで一致した部分だ。
韓中関係は92年の国交正常化以来16年間にわたり、貿易と投資、人的交流など主に実質的な関係を中心に発展してきた。しかし今後は、政治・外交の分野でも中長期的なビジョンと認識を共有し、緊密に連携する「戦略的協力パートナー」の関係に進むことになったのだ。
特に李明博政府発足以後、韓米同盟の強化を最優先することによって、相対的に韓中関係が疎遠になるのではと懸念される中、韓中関係の格上げに両首脳が合意したのは、こうした懸念を払拭させるという意味もこめられている。
両首脳は会談後の共同記者会見で「外交、安保、経済、社会、文化などの諸分野はもちろん、韓半島を含む北東アジアの域内懸案、ひいては世界的な懸案についても緊密に協議していく」と明らかにした。
韓中関係は国交正常化当時に経済、通商分野でスタートして以来、98年に「21世紀韓中協力パートナーシップ」と2000年「全面的協力パートナーシップ」、03年「全面的協力パートナーシップ」の合意を経て発展してきたが、これまで戦略的段階にまで進むことができずにいた。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)当局者は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権で韓国側が戦略的パートナーシップへの格上げを提案したのを中国が拒否したことがあるが、今回は逆に中国側が先に提案してきた」と説明した。
これは、韓米同盟と韓中関係がゼロサムゲームではなく、共に発展できる「ウィン・ウィンゲーム」になれるという認識を双方が共有した結果だと見られる。また韓中関係の格上げを通じて、韓米同盟の強化や韓日米の3軸を牽制しようとする中国側の戦略とも解釈できる。
李大統領の今回の訪中は、4月の就任以来、初めてで米国、日本との関係を復元したことに続き、最も密接な隣国、中国との関係を固めることで「李明博外交」の布石を仕上げたという意味がある。李大統領の布石は、米国とは「戦略同盟」、日本とは「成熟したパートナーシップ」、中国とは「戦略的協力パートナーシップ」を設定したということで要約できる。6月をめどに進めているロシアとの首脳会談が実現すれば「4強外交」の第1ラウンドが終わるわけだ。
青瓦台当局者は「今年の後半からは全世界を舞台に本格的なグローバル・セールス外交に乗り出すだろう」と話した。李大統領は韓中会談を通じて「実用外交」の布石を終え、今後は本格的な実利(国益)の確保に乗り出すだろうと政府当局者は説明している。
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