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自閉症の娘ために専攻を変えた父

「数日前、娘のイサベルが『Punch!』って言ったんです。フルーツポンチをくれという意味でした。単語を1つでも多く使ってもうちょっと礼儀正しく言ってみなさいと言ったら『Punch me!』ですって。ハハハ、自分を殴れと?…」--。

自閉症を患った17歳の少女イサベルのお父さんは、冗談を言うようにこう話したが、その笑いの後にはちょっとさびしさを感じた。

米国ジョージ・ワシントン大学の人類学者であるルイ・リチャードグリーンカー教授。10年前『韓国とその未来:統一と終わらない戦争』という著書を出すなど、韓半島専門家だった彼は、自閉症の娘を育てながら「専攻」を変えた。すでに彼は、アメリカインディアン居住地はもちろん、韓国、インド、南アなどに渡り、各国や民族の固有文化がどのように自閉症を認識して対応するかどうかを人類学的に研究する自閉症専門家として名を掲げている。米国、カナダ、韓国など多国籍専門家たちが京畿道高陽市で現在行われている「自閉症有病率の調査」研究チームの責任者も務めている。


22日、トクヨン財団主催で開かれた「自閉スペクトラム障害(DASD)ワークショップ」 講演のために韓国を訪れた彼に会った。ちょうど彼の著書 『人見知りしない子供たち』が最近、国内に翻訳・出刊された。自閉症に対する医学的・人類学的考察と自分の娘の話を盛り込んだ本だ。

「米国で自閉症は1950年代だけでも1万人に3人発生すると思われていました。ところで今、保健当局は150人に1人が自閉症だといいます。急に増えたのではなく、その病気を認識して診断する状況が変わっただけです」

グリーンカー教授は「私の娘も10年早く生まれていたら精神肢体や小児精神分裂と診断を受けて精神病棟に行かせていた」とし「自閉症に対する分類基準が体系化し、政府支援も多くなった」と話した。

最近、米国の一部自閉症の子供のいる家族たちが、小児用ワクチンの中の水銀が自閉症を引き起こしたと米連邦政府を相手に損害賠償訴訟を起こしたことについては「科学的根拠がない主張だ」とし「自閉症は生まれたときからの病気」だと言った。こうした病気を韓国では親が過って育てたために生じた「反応性愛着障害」と誤診する場合がたまにあり、罪のない親、特に共稼ぎの母親たちに自責感を感じさせることも問題だというのが彼の指摘だ。彼も同じケースだった。医師が子供の母親に責任を押し付けたため、多く傷ついたという。精神科医師である彼の夫人は在米韓国人2世人だ。

彼は「自閉症は早く見つけて治療を始めるほど状態を好転させることができる」とし「社会と家族が、あせらずに子供に絶えず挑戦の機会を与えてみると驚くべき奇跡を経験する」と助言した。それとともに「映画『マラソン』のおかげで韓国人たちの自閉症に対する認識が大きく変わった」と評価した。彼は23日、ソウル江南の教保文庫で著者サイン会などを行い、27日、出国する予定だ。



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