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「牛肉問題の解決なしでは、米国の主要上院議員が韓米自由貿易協定(FTA)を批准しようとしないだろう」--。
バーシュボウ駐韓米大使は22日、中央(チュンアン)日報と現代(ヒョンデ)経済研究院が共催した「21世紀北東アジア未来フォーラム」でこのように述べた。
同大使は「ブッシュ大統領が韓米FTAに署名すると決めたのは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府が科学と国際獣疫事務局(OIE)の指針をもとに牛肉問題を解決すると約束したため」と付け加えた。
大使はまた「月齢30カ月以上の米国産牛肉が安全でないから(韓国は)輸入してはならないという主張には根拠がない」とし「米国産牛肉はOIE規定を順守しており、牛海綿状脳症(BSE)を引き起こす特定危険部位(SRM)の除去は、OIEの基準よりもさらに厳しくしている」と鋭く訴えた。
バーシュボウ大使は前日、野党統合民主党・孫鶴圭(ソン・ハッキュ)代表との通話内容が問題視された点について「米国産牛肉の安全性が非常に重要な懸案であり、これに触れたのは(韓国の)内政に介入したものではない。事実と科学に基づかない主張を指摘するのは適切」と不満を表明した。
次はバーシュボウ大使が分野別に発言した内容をまとめたもの。
◇「戦時作戦統制権の交渉のやり直しはない」=2012年4月まで戦時作戦統制権を韓国に移譲するのを決めた韓米間の合意を改めて交渉することはない。米政府と関連機関の共通した立場だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領の要請もなかった。韓国には今日、戦時作戦統制権を移譲しても問題がないという見方もある。統制権の返還には「北朝鮮が依然として核を保有する」最悪の状況も反映していることから問題がない。
◇「改革・開放」に代わる用語が必要=北朝鮮が改革や開放などといった単語に拒否感を持っていると聞いている。改革・開放を誘導しなければならず、「同じ概念を含む別の単語」を考えなければならない。
◇北朝鮮の食糧危機=米国と世界食糧計画(WFP)が支援する食糧配給を透明化するためにWFPと非政府組織(NGO)のモニタリング・システムを受け入れることにした北朝鮮は、深刻な食糧事情を認めたのだ。昨年8月に米国が食糧援助を提案した際、双方はモニタリングの監視員数に合意できず、北朝鮮は「朝鮮語ができる監視員はダメだ」とし交渉が決裂した。マスコミを通じて食糧不足を認めたのも重要だ。
◇開城工業団地認定は程遠い=北朝鮮・開城(ケソン)工業団地問題に関し、韓米はFTA協議の当時「域外の加工地域を未来に考慮できる」という合意により解決策を作った。しかし北核問題の解決が2段階から3段階に移っても(工業団地を)域外加工地域に含める問題を論議できる時点になったとは言えない。韓半島の非核化、北朝鮮労働者の権利保護、人権分野の進展--などがあってこそ可能だろう。
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