1千ウォン札紙幣の絵『渓上静居図 |
1千ウォン札紙幣の裏に書かれている謙齋鄭敾(キョムジェ、チョン・ソン)の『渓上静居図』(宝物585号、個人所蔵)など文化財級の書画作品の多くが贋作だという主張があがった。
書画鑑定専門学者であるイ・ドンチャン博士は19日、著書 『真相-美術品真偽鑑定の秘密』(東亜日報社)を通じて謙齋、秋史 檀園らの主要古書画に対し、疑惑を提起した。大部分の作品が国立中央博物館など主要美術館や大学博物館などに所蔵されているものだ。
イ博士が代表的贋作に挙げたものは昨年1月から使用されている1千ウォン札紙幣の絵『渓上静居図』だ。彼は「1746年、作者は本物を横に置いて引き写した贋作だ」とし「鄭敾は作品の水準がおおむね近いのだが、この絵は70代の鄭敾が描いたと見るには筆画などの水準が非常に落ちる」と主張した。
『渓上静居図』の場合、様式による分析だが、時代別で使われた材料の性質など科学的根拠を提示したものもある。虎皮宣紙は20世紀初め、中国から輸入されたので1856年に死亡した金正喜の虎皮宣紙書帖である『淵植帖』は偽作だという話だ。イ博士はここでユ・ホンジュン元文化財庁長(明智大教授)が、著書で称賛した部分を取り上げた。
これに対して文化財庁のソン・ミンソン動産文化財課長は「1千ウォン紙幤に使われた『渓上静居図』は73年に文化財に指定された。いくつかの件に対して学界とともに検討する予定はあるが、該当の分野文化財委員たちは珍本であるという雰囲気だ」と伝えた。明智大イ・テホ教授(美術史学)は「簡単には接しにくいこの古書画を直接見て研究して判断したのかという点から疑わしい」と一蹴した。
これに対してイ博士は「『渓上静居図』など大部分の絵は図版で研究したが、実物を見ずに筆線の違いと絵の具の変わり具合などを把握することはできる」と述べた。
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