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<海外コラム>北東アジア安保フォーラム、急ぐ理由はない

ネグロポンテ米国務副長官が先週、北東アジア安保フォーラム創設問題を議論するため韓国と日本、中国を訪問した。 05年9月、6カ国協議の合意に基づき、ロシアの主導で安保フォーラムの可能性を検討するための実務グループが構成されたが、アイデア自体はそれよりはるか以前から出ていた。 盧泰愚(ノ・テウ)元大統領が1990年代序盤に似た提案をし、97年には日本が提議した。

ネグロポンテ副長官の努力は、ライス米国務長官が年末までに安保フォーラムを創設するための6カ国外相会談を開催することに力を注いでいる、という報道が出てから、さらに力を増している。 ロシアも積極性を見せている。 北東アジア安保フォーラムの目的は良い。 しかし今は、フォーラム創設のための議論が利益よりもリスクをもたらさないか考えなければならない時期だ。

ロシアは安保フォーラムのガイドラインになる原則を盛り込んだ公式文書の作成を望んでいる。 それがおそらく今年末、6カ国協議参加国の外相らが採択する文書になるはずだ。 米国と日本、韓国はこの文書に北朝鮮の非核化と国際法順守を主要原則として盛り込もうとするだろう。 一方、中国は内政不干渉と体制に対する相互尊重条項を主張するのが確実視される。 ロシアも中国の主張に同調するとみられる。 北朝鮮は、米国や日本、韓国が受け入れ難い原則を採択しようと要求する可能性が高い。 最終文書は結局、6カ国協議の参加国が提案した原則をすべて包括する最小限の共通分母だけを盛り込むことになる。 この場合、利益よりもリスクが高まる可能性がある。


すぐにも3つの問題が提起される。 まず、新しい文書が非核化原則を盛り込むことになっても、現実的に北朝鮮はこの原則を破りながら安保フォーラムに参加することになるという事実だ。 北朝鮮がいつか核兵器を放棄するとしても、今は他の6カ国協議参加国から核保有国と認められていると主張すると予想されるからだ。 現在、北朝鮮と繰り広げている核交渉の対象は寧辺(ニョンビョン)のプルトニウム生産施設であり、核兵器や高濃縮ウラン、核拡散防止義務ではない。

二つ目は、人権に対する憂慮をどのように具体化するかという問題だ。 70年代に西側とソ連が締結した‘ヘルシンキ合意’をモデルに挙げる人が多い。 鉄のカーテンに隠れたソ連内の反政府勢力の人権問題条項を含んだこの合意は、後ほど彼らに対する弾圧を中止させるための国際社会の支援を後押しするのに利用された。 しかし中国とロシア、北朝鮮が同意するかどうかは分からない状況だ。 仮に人権条項が文書から抜ければ、米国と日本、韓国が北朝鮮の人権問題を最優先課題として考えていない、という誤った解釈を生むこともある。

三つ目は米大統領選だ。 先月シンガポールで行われたヒル米国務次官補と金桂寛(キム・ケグァン)北朝鮮外務次官の間のあいまいな合意は米国内で論争を招いた。 共和党のマケイン候補はもちろん、民主党のオバマ候補も合意に対して留保的な立場を明らかにした。 来年初め退任するブッシュ大統領は(フォーラムを任期内に発足させるために)次期政権が受け入れ難い内容または不完全な原則を安保フォーラム文書に含める可能性もある。

安保フォーラムの枠組みの中で北朝鮮との交渉にすぐに成果を期待するのは難しい。 それならフォーラムの創設をもう少し長期的な観点で検討し、北朝鮮に誤った信号を送らないようにするのがよい。 北朝鮮の人権状況は非常に劣悪で、北朝鮮政権は核兵器と高濃縮ウラン、ミサイル開発を続けている。 信頼確保のための安保フォーラムがこうした現実を無視してはならない。



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