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【韓半島平和ウォッチ】米大統領選と韓米同盟、多様なシナリオで備えるべき(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆在韓米軍縮小経験から代案の摸索を

在韓米軍縮小と再調整シナリオが引き起こす安保・経済・心理的な含意は非常に大きい。在韓米軍規模は2008年以降、現在の2万8500人水準を維持している。しかし在韓米軍縮小問題は1970年以降、韓米同盟の争点だった。ニクソン政権はアジアに対する新しい安保政策ニクソン・ドクトリンに基づき第7師団を撤収した。カーター政権も大統領選公約の一環として第2師団兵力1万5000人の撤収を進めたが、3000人の縮小にとどめた。韓国の安保を重視する在韓米軍指導部と米議会、米政府の外交安保省庁、米国の世論などがカーター大統領の一方的な決定にブレーキをかけたからだ。ブッシュ政権の場合、世界規模の米軍態勢の見直し(GPR)に基づき1万2500人の在韓米軍を縮小した。トランプ政権は在韓米軍の必要性に疑問を投げかけた。幸い、米議会が国防権限法(NDAA)を採択して在韓米軍規模を2万2000人以下に減らせないようにし、縮小につながっていない。しかしトランプ氏側の人物らの最近の発言は、在韓米軍に対するトランプ氏の疑問を念頭に置いたものかもしれない。

韓国の立場では、欧州国家が過去の経験に基づいてあらかじめ対応する動きを参考にする必要がある。少なくとも韓国の安保に空白が生じないよう事前に緻密な準備をすることが求められる。韓米の葛藤と在韓米軍の縮小という最悪の状況をあらかじめ予断する必要はないが、想定できる多様なシナリオに基づいて静かに備えなければいけない。在韓米軍の追加縮小・再調整問題が大統領選の過程で台頭したり、大統領選後に公式化したりするのを防がなければいけない。このためには米議会、外交安保当局、世論に対して静かに先制的な努力を傾ける必要がある。


北朝鮮の核・ミサイル能力と脅威が実存的な危機として台頭し、朝中ロ連帯が強まったことで、韓米同盟と韓米日安保協力はいつよりも重要になった。米国は政権交代と関係なくインド太平洋戦略に最優先順位を置くだろう。韓国、日本、オーストラリア、NATOなど同盟の協力なしに米国のインド太平洋戦略と世界戦略が成功するのは難しい。ラカメラ司令官が一昨日の下院軍事委の公聴会で「北東アジアの安保のために現在の在韓米軍規模2万8500人を維持しなければいけない」と強調したのは時期的に適切だった。

したがってこうした環境をうまく活用し、米大統領選過程で候補が同盟に対する強い支持の意思を表明し、両党がこれを政綱に反映するよう努力することが要求される。トランプ2期目を迎えても、我々があらかじめ備えておけば呼吸をうまく合わせられるはずだ。

尹炳世(ユン・ビョンセ)/元外交部長官/ソウル国際法研究院理事長


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