◆量産延期のテイラー工場、異常なし？

米国の補助金支給で遅延しているテイラー工場の建設にまた弾みがつくかが注目される。サムスン電子は当初、テイラー工場の量産時期を２０２４年末としていたが、昨年末には２０２５年へと目標時点を修正した。リデル市長は中央日報に「私が持つ情報ではサムスン電子工場は今年末に稼働を始めるはず」とし「量産時点が２０２４年末から２０２５年初めに少し延びたが、年が明けながら１年も延期したという誤解が生じたようだ」と話した。続いて「テイラー工場の建設は問題なく進行している」と伝えた。

リデル市長はサムスン電子以外の企業もテイラー市に投資するよう呼びかけた。リデル市長は「テイラー市は米国内で物流がよく発展したところであり、土地が安く水資源・電力が豊富で補助金も提供する」と強調した。グレベル判事も「テイラー市に投資するという韓国企業に会ったが、大きなリスクを抱えて投資するという話を聞いた」とし「リスクを負って来る韓国企業には地域内のさまざまな優遇とパートナーシップを約束する」と話した。


◆「中国への輸出でなく米国に投資を」

３１日から３日間の日程で開催中のセミコンコリアには計５００社・７万人が参加した。韓国の半導体素材・部品・装備企業が１カ所に集まる行事であるだけに、こうした企業を米国に誘致するためアリゾナ・コロラド・インディアナ州の関係者も参加し、各地域の長所を説明した。在韓米国大使館のアンドリュー・ゲイトリー商務公使は「米国は韓国半導体の生態系にあるすべての企業を米国に誘致しようという意志が強い」とし「米国は強力な研究コミュニティーとインフラを備えているが、グローバルサプライチェーン強化のためには韓国との協力が必須」と述べた。

米国のこうしたラブコールが韓国素材・部品・装備企業に新たな機会として近づく中、懸念も生じている。３１日（現地時間）の米政府官報によると、米半導体産業協会（ＳＩＡ）は先月１７日、米商務省産業安全保障局（ＢＩＳ）に対し、韓国を含む日本・オランダ同盟国にも自国に適用される半導体装備の対中輸出規制を適用すべきだという意見書を提出した。米国の半導体製造装備輸出統制が同盟国より複雑で包括的であるため、自国企業が競争で不利な環境にあるという主張だ。

これを関連し国内半導体装備業界のある関係者は「国内半導体装備企業は成熟工程が多い中国で売上を出すところが多く、輸出の道がふさがれば打撃を受ける企業がある」と話した。


サムスン工場に支援するという米国…「優遇多い」と素材・部品・装備企業にもラブコール（１）