◆西側が承認したカタールの援助…「ハマスの金庫満たす」

国際社会の援助の一部がハマスの金庫を満たしているという主張もある。極貧状態のガザ地区を支援するために西側は中東の石油富国カタールに援助を要請した。カタールは国連と米国、イスラエルの同意を受け、年間４億ドルほどガザ地区に提供している。

ジョン・ブレナン元米中央情報局（ＣＩＡ）長官は米ＮＢＣニュースに「人道主義的なレベルで財政的な余裕があるカタールの支援が必要だった」と当時の状況を説明した。カタールの援助は公式的には主に極貧層の家庭への現金給付、ガザ地区の発電所燃料購入などに使用される。７日にハマスに拉致された人質解放をめぐりカタールが仲介できたのもこうした背景があるからだ。


しかしＷＳＪによると、元・現西側安保当局者はハマスがカタールの支援資金の一部を軍事作戦に流用したと指摘した。これに対しハマスのハゼム・カセム報道官は「ガザ地区統治に使われる財源と軍事資金は別」と反論したが、軍事資金の出どころへの言及は拒否したと、メディアは伝えた。

ただ、カタールはすべての援助が民間人に伝えられるよう管理しているという立場だ。海外メディアによると、カタールの支援金は国連に登録された銀行口座に送金され、引き出しされた後は密封形態で国連とイスラエルの護送を受けてガザ地区に伝えられるという。

◆「資金追跡が徹底されず奇襲を予測できず」

現在、ガザ地区の財政に最も大きく寄与しているのはパレスチナ自治政府（ＰＡ）だ。ＰＡの与党ファタハは２００６年の選挙でハマスに敗れた後、ガザ地区から追放された。にもかかわらず人道主義的名目と、いつかハマスの統治が終わるという期待からガザ地区への支援を続けてきた。

ＰＡは年間予算の３分の１にのぼる１０億ドルをガザ地区に送っている。この資金はガザ地区の公共部門に従事する公務員・教師・医師などの給与、水道・電力供給と医療サービス提供のための財源になっている。国連傘下機構とＰＡが運営する学校・病院もハマスの統治費用の負担を減らす側面がある。

こうした状況をめぐりＷＳＪは「西側とＰＡ、イスラエルが意図せずハマスの財布が膨らませる結果を招いた」と指摘した。ポデ教授とガル氏は「イスラエルがハマスの今回の奇襲作戦を予測できなかったのは情報と軍事的準備の不足のためだけでなく、ハマスがどのように資金を確保してどこに使うかに対する追跡を徹底しなかったのも原因」と指摘した。ハマスのイスラエル奇襲以降、米国など西側はハマスの資金関連組織員と助力者に制裁を強化する一方、ハマスの資金を遮断するための国家間連合体の構築を検討している。


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