１８日（現地時間）、イスラエルを訪問したバイデン米国大統領がネタニヤフ首相のハマス殲滅（せんめつ）作戦に「条件」を付けたかどうかがカギとして浮上した。英紙タイムズはこの日、内部消息筋を引用して「ネタニヤフ首相が非公開会談でバイデン大統領から地上戦に対する支持を得た」と報じた。バイデン大統領はあわせて「パレスチナの人々も重要だ。

今後の経路に対する評価が必要だ」と強調した。米国がイスラエルに「地上軍の投入を強行する場合、長期占領は不可能で、民間人の被害を最小化しなければならない」という条件を提示したのではないかという観測が出ている。

◇「ヒズボラ介入時は戦争が数年にわたる可能性」


タイムズは「バイデン氏はネタニヤフ氏に実戦攻撃である程度の節制を要請し、ガザ地区に人道主義的物資を届けることを許可するように要求した」と報じた。バイデン大統領が直接要求した以上、大規模な民間人の犠牲を引き起こすイスラエルの作戦は難しくなったという分析だ。ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）は「バイデン大統領はイスラエルの地上戦を最大限遅らせてイスラエルが計画をもっと慎重に検討してほしいと願っている」と伝えた。

バイデン大統領はこの日の記者会見で米国の２００１年９・１１テロ以降の「テロとの戦争」経験を話した。バイデン大統領は２００１年にアルカイダのテロを経験した自身と米国人がハマスの奇襲テロにイスラエル国民が感じている「衝撃、苦痛、怒り」を理解していると明らかにした。同時に「怒りに駆られるな」と強調した。バイデン大統領は「９・１１以降、米国は怒りに包まれた。正義を追求して正義は勝ち取ったものの、同時に失敗も犯した」と説明した。

バイデン大統領が言及した「失敗」はタリバンの追放を目標に掲げて始めたアフガニスタン戦争、大量破壊兵器除去という名分で始めたイラク戦争などとみられる。イスラエルがハマスに対する復讐だけに汲々として「勝利以降」に対するいかなる明確な計画もなく地上戦に着手したりガザ地区を占領したりすれば、予想していなかった戦争の長期化で敵に勝っても事実上勝利できなかった米国の辛い経験を再現することになるという懸念を伝えようとしたとみられる。

エコノミスト（Ｔｈｅ　Ｅｃｏｎｏｍｉｓｔ）やデイリー・テレグラフ（Ｔｈｅ　Ｄａｉｌｙ　Ｔｅｌｅｇｒａｐｈ）など外信はハマス殲滅（せんめつ）を掲げて大々的な地上戦を予告したイスラエルがすぐに実行に移すことができていない背景には米国など国際社会の外交的な圧迫だけでなく「力による平和・その後」のシナリオが不在のためだと分析した。実行可能な安全保障、政治戦略なく報復だけを強調すれば自国の政治的混乱を呼び込み、さらに手強く過激な敵をつくる「色あせた勝利」に陥りやすくなるためだ。

米国企業研究所のケネス・ポラック首席顧問はエコノミストに「今イスラエル人はまるで９・１１テロ直後に米国人が直面したものと同じ状態」とし「（７日の）ハマス奇襲攻撃後、猛烈な報復を加えているが、これはハマスが仕掛けた『罠』に陥ることだ」と懸念した。


バイデン大統領「民間人被害最小化」条件でイスラエル地上戦を黙認か（２）