先月20日、探知犬訓練センター内の模擬空港訓練場でトランクの中に隠された麻薬を探している麻薬探知犬「アルファ」。[写真 仁川=チョン・ジョンフン記者]
もちろん探知犬も実際の現場に配置されれば試行錯誤を経る。数多くの人が行き来して突発状況も多い空港入国エリア、郵便物があまりにも多く汚染されやすい国際郵便センターなどに適応するには半年ほど時間がかかるという。パク・ドンミン主務官は「入国エリアで働いていると麻薬探知犬が怖くて逃げる人もいて、足で蹴る場合もある」としながら「国際郵便センターでもひっきりなしに押し寄せる郵便物の臭いをずっと嗅がないといけないので困難も多い」と話した。
このため探知要員の役割が重要だ。訓練教官の手を離れた麻薬探知犬は引退する9~10歳ごろまで担当ハンドラーとペアになって業務に就く。麻薬探知犬が麻薬を捜し出せば探知要員が選別検査をして摘発することから、双方の呼吸がどうしても重要になってくる。探知要員が休暇を取れば探知犬も休暇を取り、非番の時も一緒に非番となる。そのように平均7年を一緒に過ごせば自然に情も湧いてくる。
このため探知要員は一緒に働いた探知犬が引退したり寿命を迎えると涙を流す場合が頻繁にあるという。公職に奉仕した麻薬探知犬が引退すれば適応訓練などを経て一般家庭に分譲される。時には一緒に働いたハンドラーの家に分譲されることもある。K麻薬探知犬のための優遇といえる。韓国政府も来年探知犬の福祉向上のために老朽犬舎の改善、飼料・栄養剤支援などに約8億ウォン(約8865万円)の予算を策定した。
キム・ドンギュ主務官は「育てた情がないといえば嘘になる」としながらも「国家のために頑張ってくれたので引退後は『良い家庭にもらわれて幸せに暮らせよ』、このように言って応援して送り出す」と話した。今年24年目のベテランパク主務官も「探知犬が死を迎えるところを直接見ると自然に涙があふれる。ディロンは私のパートナーであり職業人で、息子・娘よりよりも多くの時間を一緒に過ごす家族のような存在」と話した。
0.1グラムの麻薬も見逃さない…タイで活躍する「K探知犬」(1)
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