拘束された鄭鎮相室長と金湧（キム・ヨン）民主研究院副院長の党職維持が党内の葛藤の触媒になるという分析もある。首都圏のある非明系議員は「鄭室長の拘束をきっかけに本格的に党内の不満が出てくるだろう」とし「党指導部に対する公開的な反発が迫っている状況」と話した。

与党・国民の力は待っていたかのように親明系議員らの集会出席を狙って攻勢をかけている。鄭鎮碩（チョン・ジンソク）国民の力非常対策委員長は２０日、「民主党は李在明代表を救出するためにアスファルトの上で『尹錫悦政権退陣』を叫びながら決意を固めている」とし「自分たちを人質にして死地を脱出しようとする李在明を救うという非理性的な『ストックホルム症候群』から抜け出すことを望む」とフェイスブックでコメントした。ストックホルム症候群とは、人質が人質犯に同化されて非理性的な行動をする犯罪心理学用語だ。

与党重鎮の金起ヒョン（キム・ギヒョン）議員はろうそく集会出席議員を「人間失格７人」と呼んだ。「偽公益情報提供者ユン・ジオを擁護して対国民詐欺を演出した議員（安敏錫）」、「偽装離党後にまた復党を望んでもがく憲政秩序破壊議員（閔炯培）」などと過去の行跡まで問題に挙げた。金議員は続いて「ＢＳＥ（牛海綿状脳症）とセウォル号で大韓民国の憲法を否定して体制転覆を図った勢力が、いま梨泰院を前に出しながらまたうごめいていて悪意的な扇動をしている」と書いた。


権性東（クォン・ソンドン）議員は「梨泰院惨事の遺族が集まるべき」と言った安敏錫（アン・ミンソク）議員の発言をめぐり「遺族を党派闘争に利用している」と指摘し、「死までも政派的利益で計算し、遺族の悲しみを党派闘争の怒りに変えようとする感情詐欺師であり、偽りの哀悼をしながら死まで独占しようとする」と批判した。

大統領室の関係者はこの日、「集会の自由は何よりも尊重され、保障されなければいけない」としながらも「憲政秩序を揺さぶる主張は誰にもプラスにならないと考える。憲法機関の国会議員が憲政秩序を揺さぶる主張に同調するのは望ましくない」という立場を明らかにした。


司法リスク現実化、危機に向かう韓国最大野党（１）