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<Mr.ミリタリー>世界はサイバー戦争中…北のハッキングに抗議もできない韓国(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
にもかかわらず韓国のサイバーセキュリティーシステムは脆弱だ。法体系からしてコントロールタワーなどが確立されていない。サイバーセキュリティーに関連する唯一の法体系は昨年12月に制定した「サイバー安保業務規定」だが、大統領令レベルだ。衝突する上位法に優先されにくい。青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)が2019年に「国家サイバー安保戦略」を発表したが、後続措置は遅い。コントロールタワー格の青瓦台安保室にはサイバー安保担当秘書官もいない。サイバー安保責任機関も公共部門は国家情報院、民間部門はインターネット振興院、軍はサイバー作戦司令部などと分散している。米中日のように国家レベルで総括するサイバー安全センターがない。

国会で法体系を補完するため「サイバー安保基本法」を発議(国民の力の趙太庸議員)したが眠ったままだ。現在の法令ではサイバーテロや攻撃の兆候があっても関連機関の同意がなければ情報収集はできない(サイバー安保業務規定第3条2項)。 「通信秘密保護法」など従来の法体系では分秒を競うサイバー攻撃に対応しがたい。サイバー作戦司令部は依然として機能していない。高難度のサイバー作戦を遂行する精鋭サイバー戦士の確保にはまだ長い時間がかかる状況だ。統合防衛法ではサイバー空間を作戦領域と規定せず、有事の際、政府レベルの対応も難しい。

今後、サイバー安保環境はさらに複雑になり、速度は上がる。北朝鮮は韓半島(朝鮮半島)有事の際、長射程砲を撃つ前にサイバー攻撃で韓国の社会と軍を先にまひさせるかもしれない。5G環境で自動車をハッキングし、事故を誘発するのは基本だ。軍にロボットなど無人戦闘体系が本格的に導入されればネットワークの保護が最優先だが、セキュリティー対策はない。


米中の競争がさらに激化する場合も問題だ。中国SNS「Tik Tok」使用者の個人情報はすべて中国にあるサブコンピューターに保存される。中国が韓国国民の個人情報を悪用することもあり得る。国家レベルのサイバー安保対策を補完することが急がれる。

◆北朝鮮のサイバー組織と攻撃形態

北朝鮮はサイバー戦争に早くから目を向けた。1998年にサイバー部隊「121局」を設置した。2004年からは中国丹東を拠点にサイバー部隊を本格的に運営している。中国の海外拠点は中国東北3省から東南アジアとアフリカに拡大される。2010年に規模が約3000人に増えると、偵察総局が担当した。2012年には金正恩委員長の指示で戦力サイバー司令部が設置された。

サイバー戦士も組織的に養成している。数学的な才能が優れた学生を選抜し、平壌(ピョンヤン)の科学英才学校、金星第1・2中学校でコンピューター基盤教育をする。そして総参謀部傘下の指揮自動化大学または牡丹峰(モランボン)大学で3-5年間の特別教育を経てサイバー戦士となる。

現在活発な北朝鮮のハッキング組織はラジャルス、APT38、APT37、アンダリエルなどだが、すべて偵察総局の所属だ。このうちラジャルスは外国の政府と金融および放送を主に攻撃対象とする。APT38は世界金融産業と仮想通貨取引所などをハッキングして外貨や仮想通貨を盗む。APT37は脱北者、政治家、統一関連研究員および政府機関、金融機関の特定業務担当者を標的とする。アンダリエルは防衛産業と民間企業、セキュリティーソリューション企業、政府機関などがサイバー攻撃の対象だ。最近、韓国原子力研究院をハッキングしたキムスキー(Kimsuky)はAPT37に所属する。2016年に国防統合データセンターに浸透し、軍事機密を盗み出した組織はアンダリエルだ。

北朝鮮のハッキング手法は高度化している。北朝鮮が起こした7・7サイバー大乱(2009年)、3・3DDOS攻撃および農協ネットワーク無力化(2011年)などはサイバー攻撃のための練習だった。これを土台に韓国水力原子力(2014年)と外交・安保ライン携帯電話および国防部ハッキング(2016年)は本格的な情報収集だった。最近の原子力研究院やKAIなどに対するハッキングは、北朝鮮が必要な情報を標的化して得るもう少し発展した方式だ。数年前にあった海外銀行と仮想通貨の奪取は北朝鮮に対する制裁で不足する外貨を確保するための犯罪だった。2013年3・20サイバー攻撃は3回目の核実験に続く武力挑発を最大化するための措置と推定された。

キム・ミンソク/軍事安保研究所委員


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