◆米国、「宇宙能力」日本と協力強化
宇宙は世界的な作戦を展開する米国が最も重要視する領域(ドメイン)だ。しかし中国とロシアが「キラー衛星」などの脅威を増やし、宇宙での優越的な位置と情報連結が断絶するという懸念が強まっている。
米国はこうした懸念を解消するため、複数の機能を合わせた大型人工衛星の代わりに、機能を分散させて価格が安い複数の小型衛星を使う「分散システム」を準備している。また、宇宙作戦能力を強化している同盟国との協力を増やそうとしている。
米国のヴァンデンバーグ空軍基地には、多国籍組織の「合同宇宙構成軍司令部」がある。司令部は英国とカナダ、そしてオーストラリアの宇宙センターと協力し、ファイブアイズの宇宙作戦センターに発展することを目標にしている。こうした宇宙協力にドイツとフランスが連絡将校を派遣しているが、日本も参加を希望している。
最近創設された米宇宙軍は宇宙の衛星軌道から他国の敵対的行動を抑止するために同盟国と協力する「オリンピック防御作戦」(Operation Olympic Defender)を始めたが、最初の参加国が英国だ。オリンピック防御作戦の成功のためには自国のロケットを保有する国の参加が必要だ。
米国が「H2A」など優れた宇宙ロケットを保有する日本との協力を進めている理由の一つだ。何よりも中国に対応するインド太平洋司令部の責任地域で宇宙領域の状況認識をするために日本との協力に積極的だ。これが、日本がファイブアイズの新しい核心国家になろうとする出発点となっている。
◆日本、「宇宙作戦隊」新設して米国と協力
日本は今年5月、航空自衛隊の傘下に宇宙作戦の責任を負う「宇宙作戦隊」という組織を新設した。宇宙作戦隊は日本の宇宙航空開発研究機構(JAXA)はもちろん、米宇宙軍とも協力システムを構築している。日本はさらに航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改称する準備をしている。
日本は中国と北朝鮮の監視を名分に多様な監視衛星を運用中で、米国のように宇宙でミサイル発射を探知する能力も保有しようとしている。こうした警報衛星をいくつか運営すれば、日本に飛んでくる弾道ミサイルのほか、米国に飛んでいく弾道ミサイルの警報も可能だ。
米国のミサイル防衛局(MDA)はこうした日本の能力を参酌し、宇宙で極超音速武器を追跡できる「極超音速・弾道追跡宇宙センサー(HBTSS)」プログラムの合流を議論している。
日本が宇宙能力の開発に力を注いだだけに、米国が先に手を差し出している状況だ。宇宙能力を高めようとする韓国も宇宙から眺める視野を韓半島(朝鮮半島)からさらに拡大し、情報を積極的に共有しなければならない。しかしそれ以前に同盟と十分に情報が共有されているのか、その点から確認する必要がある
チェ・ヒョンホ/軍事コラムニスト/ミリドム代表
【コラム】「宇宙作戦隊」創設して米国と諜報同盟を結ぶ日本の策略(1)
宇宙は世界的な作戦を展開する米国が最も重要視する領域(ドメイン)だ。しかし中国とロシアが「キラー衛星」などの脅威を増やし、宇宙での優越的な位置と情報連結が断絶するという懸念が強まっている。
米国はこうした懸念を解消するため、複数の機能を合わせた大型人工衛星の代わりに、機能を分散させて価格が安い複数の小型衛星を使う「分散システム」を準備している。また、宇宙作戦能力を強化している同盟国との協力を増やそうとしている。
米国のヴァンデンバーグ空軍基地には、多国籍組織の「合同宇宙構成軍司令部」がある。司令部は英国とカナダ、そしてオーストラリアの宇宙センターと協力し、ファイブアイズの宇宙作戦センターに発展することを目標にしている。こうした宇宙協力にドイツとフランスが連絡将校を派遣しているが、日本も参加を希望している。
最近創設された米宇宙軍は宇宙の衛星軌道から他国の敵対的行動を抑止するために同盟国と協力する「オリンピック防御作戦」(Operation Olympic Defender)を始めたが、最初の参加国が英国だ。オリンピック防御作戦の成功のためには自国のロケットを保有する国の参加が必要だ。
米国が「H2A」など優れた宇宙ロケットを保有する日本との協力を進めている理由の一つだ。何よりも中国に対応するインド太平洋司令部の責任地域で宇宙領域の状況認識をするために日本との協力に積極的だ。これが、日本がファイブアイズの新しい核心国家になろうとする出発点となっている。
◆日本、「宇宙作戦隊」新設して米国と協力
日本は今年5月、航空自衛隊の傘下に宇宙作戦の責任を負う「宇宙作戦隊」という組織を新設した。宇宙作戦隊は日本の宇宙航空開発研究機構(JAXA)はもちろん、米宇宙軍とも協力システムを構築している。日本はさらに航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改称する準備をしている。
日本は中国と北朝鮮の監視を名分に多様な監視衛星を運用中で、米国のように宇宙でミサイル発射を探知する能力も保有しようとしている。こうした警報衛星をいくつか運営すれば、日本に飛んでくる弾道ミサイルのほか、米国に飛んでいく弾道ミサイルの警報も可能だ。
米国のミサイル防衛局(MDA)はこうした日本の能力を参酌し、宇宙で極超音速武器を追跡できる「極超音速・弾道追跡宇宙センサー(HBTSS)」プログラムの合流を議論している。
日本が宇宙能力の開発に力を注いだだけに、米国が先に手を差し出している状況だ。宇宙能力を高めようとする韓国も宇宙から眺める視野を韓半島(朝鮮半島)からさらに拡大し、情報を積極的に共有しなければならない。しかしそれ以前に同盟と十分に情報が共有されているのか、その点から確認する必要がある
チェ・ヒョンホ/軍事コラムニスト/ミリドム代表
【コラム】「宇宙作戦隊」創設して米国と諜報同盟を結ぶ日本の策略(1)
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