ハンファオーシャンが建造した200隻目のLNG運搬船をSK海運に引き渡した。[写真 ハンファオーシャン]
造船業界による、ベンチャーグローバルは最近韓国を訪れ、HD現代(ヒョンデ)重工業とハンファオーシャン、サムスン重工業の造船所を視察した。造船業界関係者によると、早ければ6月末までに発注契約を終えるとみられる。17万4000~18万立方メートル級LNG運搬船4隻に対する契約をまず締結し、その後オプション方式で8隻を追加で確保する。総受注金額は最大4兆3000億ウォン(約4290億円)に達するものとみられる。
◇トランプ政権のLNG輸出承認、韓国造船には薫風
今年に入りトランプ政権はLNG輸出プロジェクトを相次いで承認した。ベンチャーグローバルを含め、コモンウェルス、デルフィン、ゴールデンパスなどの主要プロジェクトが相次ぎ許可を受け、米国がエネルギー輸出戦略を本格化する雰囲気だ。韓国の造船業界はベンチャーグローバルのほかにも米国内の他のLNG開発会社の発注が続く可能性も高いとみている。
造船・海運専門分析機関クラークソンセキュリティスは2029年まで世界的に最大126隻のLNG運搬船需要が発生すると分析した。1隻当たり2億5600万ドル(約365億円)水準で、市場全体の規模は280億ドルに達する。
現在世界のLNG運搬船市場は韓国の造船会社が主導している。運航中のLNG運搬船750隻のうち90%が韓国製で、昨年発注された世界のLNG運搬船の70%も韓国の造船所が受注した。LNG運搬船はLNG貨物倉などを作らなければならず、一般コンテナ船建造より高難度の技術が必要だ。
◇米国の中国牽制に韓国造船は利益
米国が中国の造船産業を集中牽制し韓国造船業界が利益を得ている部分は好材料だ。米国防総省は中国国営造船会社CSSCをブラックリストに上げ、米中対立の高まりで世界の船主が中国造船所との契約を敬遠している。こうした雰囲気に押され先月の世界の船舶発注量150万CGT・58隻のうち、韓国は55%の82万CGTを受注し、中国を抜いて1位を占めた。中国は35%の52万CGTで2位だった。
米国の牽制で実際に中国の船舶受注も大きく減る傾向だ。造船・海運専門紙のトレードウィンズは15日、造船・海運市況分析機関ハウロビンソンの統計を引用し、1-3月期に中国の造船会社に対するばら積み船注文量が13件にとどまり、1993年以降32年ぶりの少なさだったと報道した。前年同期の143件から90.9%減少した数値だ。ばら積み船は鉄鋼、石炭などを積み出す船舶で、昨年基準で中国の受注シェアが60%に迫るほど中国造船業者が強い分野だ。
トランプ政権の中国造船業牽制が効果を出したものとみることができる。米通商代表部(USTR)は1月、米国に入港する中国製船舶に対し最大150万ドルの手数料を課すことを検討していると明らかにした。
造船業界関係者は「最近米国を中心に多様な国で造船所を訪問し発注を問い合わせる所が増加している状況。造船業が経済と安全保障など多様な分野で戦略的連帯を強化できる産業として急浮上している」と話した。
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