2023年7月、忠清北清州市五松邑(チョンジュシ・オソンウプ)の宮坪(クンピョン)第2地下車道の浸水事故現場で消防と警察、軍が合同で救助活動を行っている。[写真 清州=フリーランサー キム・ソンテ]
ここ数年間の洪水事例を振り返ると、地下車道や駐車場など地下空間で多数の人命被害が発生した場合が少なくなかった。昨年7月には忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)の美湖江(ミホガン)の臨時堤防が崩れて五松(オソン)地下車道が増水によって一瞬のうちに浸水したせいで14人の貴重な生命を失った。2020年7月には釜山市東区(プサンシ・ドング)の草梁(チョリャン)地下車道で浸水事故が発生して3人の死亡者が出た。2022年9月には慶尚北道浦項(キョンサンブクド・ポハン)のあるマンション地下駐車場が水に浸って、逃げ遅れた住民8人が亡くなった。
それでも全国の地下車道の相当数はまだ浸水危険に対する対策が不十分なことが分かった。監査院が最近公開した「河川氾濫に伴う地下空間の浸水対備実態」監査の結果を確認すると、依然と安全不感症が深刻だった。監査院によると、50~500年に一度の大雨で浸水する恐れがある地下車道は全国182カ所に達した。このうち159カ所(87%)は周辺の河川の水位がどの高さまできたときに車両進入を統制するべきか、基準さえ用意されていない状態だ。
突然危険な状況が発生した時、車両進入を遮断する施設がないところは132カ所(73%)だった。このような地下車道のうち40カ所に対しては地方自治体が中央政府に車両進入遮断施設を設置できるように支援を要請したが、支援されたのは23カ所にとどまり、残りの17カ所は支援対象から外された。監査院の指摘以降、行政安全部や国土交通部などが必要な措置を講じたとはいうが、にわかに安心することはできない。
世界的に異常気候現象が繰り返し発生するのは韓半島(朝鮮半島)も例外ではない。これからは梅雨期の集中豪雨の危険は変数ではなく定数と見るべきだ。俗に自然災害のことを「天災」と呼ぶが、事前に備えれば被害を最小化することができる。だが備えを疎かにすれば「人災」という批判を避けることができないだろう。関連部署や地方自治体は国民の生命と直結する事案である点を肝に銘じてすべての災害に対する備えに万全を期してほしい。
この記事を読んで…