◆キム・ハングォン国立外交院教授=ウクライナ情勢が韓国と東アジアに与える含意は2つある。一つは陣営化構造が鮮明になったという点だ。フィンランドがNATO(北大西洋条約機構)加盟を決めるなど自由陣営国家の結束が強化されている。半面、北朝鮮は中露との協力を突破口とするだろう。我々は陣営化への対応策を用意しなければいけない。もう一つは米国主導のNATOとサプライチェーン結集が結局、アジア太平洋地域に軍事的に関連している点だ。NATOがAP4(韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド)招請を示唆したのが一つの始まりだ。
◆李熙玉(イ・ヒオク)成均館大政治外交学科教授=中国がウクライナ情勢で中立的な立場であるのは国益に基づくものだ。中国が戦争に介入すれば、その間の非介入主義、非同盟主義外交路線に矛盾が生じる。また、米国の台湾問題介入が強まる可能性もある。結局、ウクライナ戦争の結果は中露朝の三角構図を強化し、韓国が選択の岐路に立たされる可能性が高い。外交政策は選択の空間を開いておく必要がある。あまりにも陣営化すれば、戦略の選択を強要される状況になる。
◆チ・マンス韓国金融研究院研究委員=ウクライナ情勢は、侵攻の費用が非常に大きく、戦況に対する確信が消えたということを見せる。これを見た中国は台湾に対する侵攻よりも制裁や封鎖を選択する可能性が高い。また、価値外交と実用外交の論争の中で我々がまず考えるべきことは、価値外交をする国々が長期にわたり経済的利益と価値を統合させる努力をしてきたという点だ。我々が価値外交に進むためには歴史的経験の蓄積や費用など多くの準備と時間が必要だ。
◆韓碩熙(ハン・ソクヒ)延世大国際学大学院教授=中国がウクライナ戦争で利益を得るとは思わない。そうでなくともコロナのために苦労しているが、ウクライナ情勢までが重なった。ウクライナ戦争を見て国内では自強と実用外交を叫ぶ声が出ている。自強は内的能力の伸長であり、実用外交は外的能力の伸長だ。同盟強化は短い時間内に能力を強化できるが、自強は長い時間を必要とする。自強も重要だが、国際情勢が今のように急激に変わる状況では同盟側に重点を置かなければいけない。
◆魏聖洛(ウィ・ソンラク)元韓半島平和交渉本部長=今回の韓米首脳会談ではウクライナに対する軍事的支援問題がホットイシューになるだろう。尹錫悦大統領が就任演説で自由と連帯を一貫して強調したのを見ると、ウクライナに対する支援は避けられないようだ。この場合、ここから派生する中露朝の反発をどう管理するかが今後の我々の外交課題になるはずだ。価値外交の拡大という方向には同意しても、韓国が果たして価値外交ができる国かは確実でない。韓国の価値外交の可能性を測るリトマス紙は中国だ。台湾や新疆など中国の問題で我々が価値外交の基準を持ち出すことができるかはまだ懐疑的だ。もう少し準備をして国民的な合意を広げる必要がある。
◆李夏慶(イ・ハギョン)中央日報主筆=ウクライナ情勢は外交安保上のパンデミックに該当する。欧州とアジア、米国など3つ以上の大陸が絡んでいて、事実上、全世界がかかわる重大な事態だ。通商と資源、物価、為替、金利などで韓国も直撃弾を受けている。コロナ封鎖による中国経済の不振も韓国に与える打撃が大きい。危機が一度に複合的に押し寄せた。この多様な信号と情報を我々がどう受け入れて対応するかがカギとなる。韓国の外交の一つ一つが重要な時期を迎えている。我々の生存のための最適な均衡点を見いだすことが求められる。
【韓中ビジョンフォーラム】ウクライナ情勢で分かれた世界…陣営化時代に備えるべき(1)
◆李熙玉(イ・ヒオク)成均館大政治外交学科教授=中国がウクライナ情勢で中立的な立場であるのは国益に基づくものだ。中国が戦争に介入すれば、その間の非介入主義、非同盟主義外交路線に矛盾が生じる。また、米国の台湾問題介入が強まる可能性もある。結局、ウクライナ戦争の結果は中露朝の三角構図を強化し、韓国が選択の岐路に立たされる可能性が高い。外交政策は選択の空間を開いておく必要がある。あまりにも陣営化すれば、戦略の選択を強要される状況になる。
◆チ・マンス韓国金融研究院研究委員=ウクライナ情勢は、侵攻の費用が非常に大きく、戦況に対する確信が消えたということを見せる。これを見た中国は台湾に対する侵攻よりも制裁や封鎖を選択する可能性が高い。また、価値外交と実用外交の論争の中で我々がまず考えるべきことは、価値外交をする国々が長期にわたり経済的利益と価値を統合させる努力をしてきたという点だ。我々が価値外交に進むためには歴史的経験の蓄積や費用など多くの準備と時間が必要だ。
◆韓碩熙(ハン・ソクヒ)延世大国際学大学院教授=中国がウクライナ戦争で利益を得るとは思わない。そうでなくともコロナのために苦労しているが、ウクライナ情勢までが重なった。ウクライナ戦争を見て国内では自強と実用外交を叫ぶ声が出ている。自強は内的能力の伸長であり、実用外交は外的能力の伸長だ。同盟強化は短い時間内に能力を強化できるが、自強は長い時間を必要とする。自強も重要だが、国際情勢が今のように急激に変わる状況では同盟側に重点を置かなければいけない。
◆魏聖洛(ウィ・ソンラク)元韓半島平和交渉本部長=今回の韓米首脳会談ではウクライナに対する軍事的支援問題がホットイシューになるだろう。尹錫悦大統領が就任演説で自由と連帯を一貫して強調したのを見ると、ウクライナに対する支援は避けられないようだ。この場合、ここから派生する中露朝の反発をどう管理するかが今後の我々の外交課題になるはずだ。価値外交の拡大という方向には同意しても、韓国が果たして価値外交ができる国かは確実でない。韓国の価値外交の可能性を測るリトマス紙は中国だ。台湾や新疆など中国の問題で我々が価値外交の基準を持ち出すことができるかはまだ懐疑的だ。もう少し準備をして国民的な合意を広げる必要がある。
◆李夏慶(イ・ハギョン)中央日報主筆=ウクライナ情勢は外交安保上のパンデミックに該当する。欧州とアジア、米国など3つ以上の大陸が絡んでいて、事実上、全世界がかかわる重大な事態だ。通商と資源、物価、為替、金利などで韓国も直撃弾を受けている。コロナ封鎖による中国経済の不振も韓国に与える打撃が大きい。危機が一度に複合的に押し寄せた。この多様な信号と情報を我々がどう受け入れて対応するかがカギとなる。韓国の外交の一つ一つが重要な時期を迎えている。我々の生存のための最適な均衡点を見いだすことが求められる。
【韓中ビジョンフォーラム】ウクライナ情勢で分かれた世界…陣営化時代に備えるべき(1)
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