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【グローバルアイ】日本で伸びをする『茶色の朝』の警告

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本人の愛犬に対する愛情は格別だ。町内の公園に行けば人が半分、犬が半分だ。幼い子どものようにベビーカーに乗せちやほやと世話する。高級ペット用ベビーカーは50万ウォンを超える高額でも羽根が生えたように売れる。野外に遊び場を備えたドッグカフェは連日大変なにぎわいだ。焼いた牛肉とマッシュポテトなど飼い主と犬が一緒に食べられる5万~6万ウォンのファミリーセットは人気だ。毛色も顔付きもそれぞれ異なる犬の天国だ。

ペットを心から大事にする日本人に青天の霹靂のようこんなことが起きたならどうなるだろうか。ある日突然「茶色でない犬は残さずなくせ」という恐ろしい法律が公表される。いわゆる「茶色法」だ。黒と白、ブチの犬は茶色でないという理由だけで安楽死させなければならない。むごいことだ。童話の本にでもあるような状況だ。実際そんな童話の本がある。

1998年にフランスの小説家フランク・パブロフが発表した『茶色の朝』だ。2003年に日本でも翻訳出版された。著者はフランス民族主義極右政党である国民戦線が選挙で躍進すると強い懸念を示して本を書いた。茶色は極右のイメージを帯びる。ドイツのナチスの制服が茶色だった。このところ日本人が『茶色の朝』に再び注目している。日本政府の軍慰安婦強制連行否定、集団的自衛権行使容認、平和憲法改正の動きなど、右傾化が日増しに深刻化しているのと無関係ではない。極右団体の嫌韓デモとヘイトスピーチも内外の強い懸念を呼んでいる。


『茶色の朝』に登場する政府は急増した犬と猫の数を減らすという名分で「茶色法」を発表する。科学者は茶色の猫は子を生む数が少なく、えさも少ないという実験結果を発表する。人々はしばらくはあわてるがまもなく順応する。これを批判した新聞は廃刊になる。茶色新聞、茶色本、茶色酒などすべて茶色だけが残る。不安と恐怖が町を襲う。しかし人々には抵抗する力も、意志もない。

日本語版は出版後8カ月で3万3000部売れた。当時は武力攻撃事態法と国民保護法など日本が武力攻撃を受けた際に国民の自由を制限できる法律が相次いで作られた時だ。そして先月10日、国家機密漏洩時に最高懲役10年に処する特定秘密保護法が施行されてから本はまた話題になっている。北海道新聞は先月末までに6万部が売れたと報道した。日本政府は国家安保を理由に各種情報を最長60年まで秘匿する。国民の知る権利とメディアの自由は国益の前に力を失う。

主人公は「初めて茶色法が作られた時にだめだと言うべきだった」と後悔する。「だが、どのように? 他の人たちも静かに暮らすのが良いと手をこまぬいていたではないか」。弁解も加える。『茶色の朝』の警告は日本国内ではまだコップの中の台風だ。しかし安保法制整備など軍事大国化と改憲に向かった動きが本格化する2015年、警告は沈黙のコップを割り超大型台風として日本列島を襲うかもしれない。

イ・ジョンホン東京特派員





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