ロシア軍隊が混乱している。ウラジーミル・プーチン露大統領がウクライナ東部ドンバスの占領が遅れ、総司令官を交代したという西側の観測が出てきた。戦争の長期化で高位指揮官が枯渇し、体重が１３０キロに達する退役将軍まで復帰させるなど深刻な求人難に直面していると外信は伝えた。

２６日（現地時間）、米国戦争研究所（ＩＳＷ）によると、ロシア軍事政治局長を務めるゲンナジー・ジドコ氏がウクライナでロシア軍を総括指揮していると観測される。ＩＳＷはこの日、ロシア国防省が公開したセルゲイ・ショイグ国防長官がウクライナ内指揮所を訪問した写真を分析した後、ジドコ政治局長を総司令官と推定した。ジドコ政治局長はショイグ長官のそばに立って指揮官の戦況報告を聞いた。

これに先立って、前日テレグラフは英国国防省を引用して「ウクライナ現場総司令官だったアレクサンドル・ドヴォルニコフ隊長が更迭された」と伝えた。メディアは「東部のドンバス占領作戦が遅れたのが主な更迭の理由」と伝えた。英国王立防衛安全保障研究所（ＲＵＳＩ）のサミュエル・ラマニ研究員は「ルハンスク州の要衝地セベロドネツクを１０日までに占領するように期限を定めたが、ドヴォルニコフ氏がこれを完遂できなかった」と伝えた。ロシア軍は２５日セベロドネツクの占領を発表した。


また、テレグラフはドヴォルニコフ隊長がお酒を飲み過ぎてプーチン大統領の信頼を失ったと理由を挙げた。これに先立って、英国のある調査報道メディアはドヴォルニコフ氏が２０１５年シリアに派遣された時も過度な飲酒で将校の信頼を得ることができなかったと伝えた。

ドヴォルニコフ隊長は４月９日ウクライナ戦争総司令官に任命された。本来ロシア軍は今回の戦争で総司令官がなかった。ところが、初期作戦に失敗した後、シリア内戦で悪名の高いドヴォルニコフ隊長を総責任者の席に座らせた。プーチン大統領は民間人に残酷な行為を行って成果をあげてきた彼を高く評価したが、遅々と進まない戦況に結局交代したとみられる。

プーチン大統領は今回の戦争で随時将軍を交代した。英国防省はドヴォルニコフ隊長とともに空輸部隊司令官だったアンドレイ・セルジュコフ氏も更迭されたと観測した。４月には艦艇「モスクワ」の沈没に対する問責で黒海艦隊のイーゴリ・オシポフ司令官など将軍５人が、３月には首都キーウの占領に失敗した責任を問うて８人の将軍が罷免したことが分かった。

デイリーメールは多数の消息筋を引用して「プーチン大統領が今回の戦争状況を詳細に管理しており成果が良くないと考える指揮官には容赦なく斧を振り回している」と伝えた。

戦争の長期化により求人難に苦しめられているロシア軍は高位指揮官も足りない状況だ。これを受け、退役した将軍まで最前線に復帰しているとデイリーメール・ニューヨークポストなどが２６日、伝えた。その中で体重が１３０キロに達する６７歳の将軍もいることが分かった。「パーヴェル将軍」と呼ばれる彼はソ連時代にアフガニスタン戦争に参戦して引退直前にはシリア内戦でも活躍した。

ロシア軍内部消息筋によると、パーヴェルは５年前退役後、モスクワ近郊に住んで体重が急激に増えた。一日に５食を食べてウオッカ１本ずつを飲みながら現在の体重になったと知らされた。特殊サイズの軍服を製作し、防弾チョッキ２個をつなげて着ることにした。この消息筋は「ウクライナで戦死したりけがしたりした高位指揮官の空白を埋めるためにこのような状況が起きている」と伝えた。デイリーメールは「プーチン大統領が無理な手法を使っている」と伝えた。米国防省は開戦後５月までロシア将軍が少なくとも１０人は死亡したと把握した。