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韓国政府「歴史・未来ツートラック」慎重…日本がICJ提訴すれば外交的負担に

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相が30日、大法院(最高裁に相当)強制徴用判決をめぐり関係部署長官会議を招集した後に出した公式立場には政府の負担と苦心がにじみ出ていた。「強制徴用被害者の傷がはやく最大限癒やされるよう努力する」としながら「政府は韓日両国の関係を未来志向的に発展させていくことを希望する」と併せて明らかにした。立場文も高位当局者が直接発表する形ではなく、国務総理室ホームページに掲載するのみだった。外交部当局者はこの日記者団と会い、「歴史懸案というのは一日で解決されるものではない。この部分はこのまま切り離し、未来志向の関係に進んでいく」として従来のツートラック基調を再確認した。

だが、政府としては1965年韓日協定締結以降、53年間維持してきた立場と正反対の大法院判決が下されたこと自体が負担となっている。外交部当局者は判決により従来の政府立場を変更するかどうかについては「今すぐ予断できる状況ではない。65年請求権協定に対する判決文の内容等をもう少し綿密に検討してみる必要がある」と答えた。今回の判決は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権だった2005年に政府が確立した立場とも対峙する。当時政府は韓日協定交渉関連外交文書を全面公開し、国務総理室傘下に「韓日会談文書公開官民共同委員会」を発足させて請求権協定の効力範囲に対する解釈を出した。強制徴用被害者の個人賠償請求権は65年協定で消滅し、政府としては被害者を救済する道義的責任があるということが結論だった。李海チャン(イ・ヘチャン)共に民主党代表が当時首相として共同委員長を務め、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も青瓦台(チョンワデ、大統領府)民情首席として委員に名を連ねた。

政府は内部的には日本の攻撃に対応する案をめぐっても苦心している。日本は国家間紛争を扱う国際司法裁判所(ICJ)への提訴を検討している。だが、関連専門家によると、提訴しても必ずしも裁判まで進むわけではない。韓国はICJに加入しているが、規定第三十六条2項の「強制管轄権」は受け入れていないためだ。日本の提訴に韓国が応じなければそこまでだ。峨山(アサン)政策研究院のイ・ギボム国際法センター長は「この場合、ICJに管轄権がないので日本が一方的に韓国をICJに引っ張っていくことはできない」とコメントした。


韓日請求権協定にともなう仲裁も同様だ。請求権協定第三条は、協定内容に異見がある場合、両国は外交的努力を通じて解決しなければならず、これさえも難しい場合には仲裁手順を踏むようになっている。しかし、強制できる条項はない。したがって日本政府がこれを要請するとしても韓国が応じなければ仲裁を成立させることはできない。

結局、日本が念頭に置いているのは「国際世論戦」だ。国際法的な解決が物理的に不可能だったとしても、問題提起を通じて「韓国が両国間条約を守る信義・誠実義務と国際法精神に違反した」という点を強調することができる。韓国政府にとっては外交的負担となりうる。

一方、大法院は日本企業の賠償責任を明示したが、現実的に新日鉄住金(旧・新日本製鉄)が被害者に慰謝料を支払う可能性は低い。慰謝料の支払いを拒否する場合、今回の訴訟で勝訴した原告が大法院判決を根拠に強制執行を試みることができる。ただし、日本裁判所がすでに原告敗訴判決を確定した点を考慮すると、強制執行をしてもその対象は日本企業が韓国に保有している一部の財産だけに該当する見通しだ。この過程で政府が介入する余地は事実上ない。政府当局者は「基本的にこれは民事訴訟の領域」と説明した。



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