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【社説】大規模な山火事でも遅い特報、本当に公営放送か=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
大規模な山火事が発生した江原道(カンウォンド)高城郡(コソングン)と束草(ソクチョ)・江陵(カンヌン)・東海(トンヘ)市、麟蹄郡(インジェグン)の一円に昨日、「国家災難事態」が宣言された。4、5日に約4000人が緊急避難するほどの状況だった。特に「植木日」に山林525万平方メートルが焼失した。そうでなくても太陽光発電をするとして過去3年間の232万本の木が切られたが、今回の山火事でソウルの汝矣島(ヨイド)の面積(290万平方メートル)より広いサッカー場(7140平方メートル)745個分の山林が一瞬にして消えた。大きな火はひとまず消えたが、政府と災難当局、地上波放送の遅い対応を目にした国民の不安は続いている。

4日午後7時17分ごろ山火事が発生すると、消防庁は当日午後9時44分に江原道火災対応水準を第2段階から最高レベルの第3段階に引き上げた。火災対応第1段階は局地的事態、第2段階は市・道境界を越える範囲、第3段階は全国的水準である場合に発令する。

こうした緊迫した状況で災難主管放送を自負するKBS(韓国放送公社)はいわゆる公営放送の職務放棄を如実に見せた。消防庁の第3段階引き上げ後、山火事が束草市内に迫り住民避難令が出されたが、災難主管放送局の対応は遅かった。赤黒い炎が都市と村を襲ってかなりの時間が経過した午後10時53分、最初の特報をした。しかしそれを午後11時5分に中断し、通常の番組『今夜キム・ジェドン』を放送した。国民の命が危ない全国的災難状況で政権広報放送という批判を受けた番組をあえて放送した理由をKBS(韓国放送公社)は釈明する必要がある。


放送局が無責任な姿を見せる間、山火事被害住民は真っ赤な火災現場を撮った動画をSNSを通じて関係当局と放送局に情報提供した。あるツイッター利用者は「本当に怖い。助けてほしい」と訴えた。それでもKBSの特報は十分でなく、障害者のための手話通訳もせず障害者団体の怒りを招いた。MBC(文化放送)、SBS(ソウル放送)も娯楽番組を放送し、慌てて特報を編成したのは同じだ。

政府の対応も遅かった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5日0時20分に国家危機管理センターを訪れた。大統領は「使用可能な資源をすべて動員して総力対応をすべき」とし「より多くの人命被害が発生しないよう先制的に対応してほしい」と指示した。0時を過ぎた時間に「先制的対応」を注文したのだ。

国家安保室総責任者の鄭義溶(チョン・ウィヨン)室長も信頼できない姿を見せた。鄭室長はこの日午後3時30分に始まった青瓦台(チョンワデ、大統領府)の国会運営委業務報告に出席していた。午後7時45分に会議が中断した後、午後9時20分に再開された。しかし国会を離れた午後10時38分まで鄭室長は山火事の状況を国会議員に積極的に説明しなかった。国家安保室の責任者を拘束した野党議員の質問攻勢も問題だが、危機対応責任者の鄭室長の姿から江原道住民が感じた生存の切迫感は見られなかった。鄭室長は午後11時を過ぎてから青瓦台に到着した。

今回の山火事が最悪の状況にはならず幸いだが、政府と地上波放送の不十分な対応は必ず問いたださなければいけない。それが未来のさらに大きな災難を避ける道だ。



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