欧州の福祉国家モデルが当面はより安楽な暮らしを提供できるかもしれない。しかし革新と成長を牽引するのは難しい。良く暮らすためにもっと働きたくてもできず、成果を上げても所得の半分以上を政府に納付しなくてはならないならば熱心に努力する理由は減る。事実、所得の半分が税金なら半分の社会主義と言っても大きな誇張でない。「能力に基づき働いて必要に応じて分配」しようと言いながら個人の努力と成果を彼らに対する報賞と完全に分離しようと考える社会主義経済の失敗原因を再確認すべきだ
この30年間の米国と欧州の格差拡大はこのような経済システムの違いと関係なくはなさそうだ。マイクロソフト、アップル、グーグル、テスラ、エヌビディアなどこれまで現れた世界的革新企業がいずれも米国で誕生したという事実もやはり偶然では片付けにくい。AIに代表される未来産業競争力でも欧州と米国の格差は拡大の一途だ。
韓国の位置はどのあたりだろうか。2010年には年間労働時間が2200時間に迫ったが2024年には1865時間まで急減した。年平均25時間近く減る傾向で、あと3~4年後には米国より労働時間が短くなる可能性が高い。国民負担率もやはりこの10年間で早く上昇し、すでに20%台中盤である米国を超えている。労働市場も企業活動の自由よりは労働者の権益保護が強調され硬直化してきた。
大きな流れで見ると韓国の経済システムは米国型から徐々に欧州型にシフトしているところだ。そしてこうした変化が進んだ10~20年間に韓国の成長率は2%以下に鈍化し、その結果米国の8~9%水準まで上昇してきた韓国のGDPは2010年代中盤以降その傾向が反転し最近は6%台まで下落した。
どんなシステムを選択するのかに対する判断は結局国民の役目だ。もう韓国もこれだけ暮らせるようになったのだから余裕をもって周囲を振り返り「人間らしい暮らし」を追求しようと言える。ただそのような選択が未来の「より人間らしい暮らし」を育てていくのに全く影響がないというポピュリズム的ナラティブに幻惑されなければ良いだろう。
きょう勉強しなくてもあすの成績に何の問題もないという主張を信じることはできない。熱心に勉強して良い成績を得ても別段良くなるものがなければ最初から勉強する理由自体が失われる点はより深刻な問題だ。私たちの子どもが今後どんな社会で生きることになるのか期待と懸念が交差する。そして30年後に韓国首脳がホワイトハウスにどんな姿で現れるのかも気がかりだ。
曺東徹(チョ・ドンチョル)/KDI国際政策大学院教授
【コラム】米国の前で小さくなる欧州、韓国は?(1)
この30年間の米国と欧州の格差拡大はこのような経済システムの違いと関係なくはなさそうだ。マイクロソフト、アップル、グーグル、テスラ、エヌビディアなどこれまで現れた世界的革新企業がいずれも米国で誕生したという事実もやはり偶然では片付けにくい。AIに代表される未来産業競争力でも欧州と米国の格差は拡大の一途だ。
韓国の位置はどのあたりだろうか。2010年には年間労働時間が2200時間に迫ったが2024年には1865時間まで急減した。年平均25時間近く減る傾向で、あと3~4年後には米国より労働時間が短くなる可能性が高い。国民負担率もやはりこの10年間で早く上昇し、すでに20%台中盤である米国を超えている。労働市場も企業活動の自由よりは労働者の権益保護が強調され硬直化してきた。
大きな流れで見ると韓国の経済システムは米国型から徐々に欧州型にシフトしているところだ。そしてこうした変化が進んだ10~20年間に韓国の成長率は2%以下に鈍化し、その結果米国の8~9%水準まで上昇してきた韓国のGDPは2010年代中盤以降その傾向が反転し最近は6%台まで下落した。
どんなシステムを選択するのかに対する判断は結局国民の役目だ。もう韓国もこれだけ暮らせるようになったのだから余裕をもって周囲を振り返り「人間らしい暮らし」を追求しようと言える。ただそのような選択が未来の「より人間らしい暮らし」を育てていくのに全く影響がないというポピュリズム的ナラティブに幻惑されなければ良いだろう。
きょう勉強しなくてもあすの成績に何の問題もないという主張を信じることはできない。熱心に勉強して良い成績を得ても別段良くなるものがなければ最初から勉強する理由自体が失われる点はより深刻な問題だ。私たちの子どもが今後どんな社会で生きることになるのか期待と懸念が交差する。そして30年後に韓国首脳がホワイトハウスにどんな姿で現れるのかも気がかりだ。
曺東徹(チョ・ドンチョル)/KDI国際政策大学院教授
【コラム】米国の前で小さくなる欧州、韓国は?(1)
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