イタリア北部の小都市ボルミオのバス乗り換え停留所で、各国記者や関係者がスノーボード競技が行われるリヴィーニョ行きのバスを待っている。ミラノからリヴィーニョへ行くには、列車とバスを数回乗り継がなければならない。ミラノからリヴィーニョまで5時間30分かかった。移動は過酷だが、分散開催を通じて地域バランス発展と費用削減の効果を得ることができる。 コ・ボンジュン記者
今回の五輪会場をすべて回ってみせると豪語したものの、いざ経験してみると誰にも勧めたくないような旅程だった。ミラノを起点にコルティナダンペッツォとリヴィーニョを往復した総距離は1300キロ、道の上で費やした時間だけで丸23時間に達する。絵空事のように聞こえていた今大会のモットーである「分散開催」を身をもって経験してみると、残ったのは虚ろな目とひどい疲労、強張った筋肉だけだった。五輪の開催地ではなく、自分の心身が分散されたかのようだった。結局、1週間のうちに2つの都市を往復して痛感したのは、3つの圏域が一つの名前で括るにはあまりにも遠く、離れすぎているという現実だった。
苦難は開幕前の2日、コルティナダンペッツォへ向かう道から始まった。1日夜にミラノに到着して荷物を整理するやいなや翌日午前6時に出発した。イタリアは初めてなうえ、移動距離もあまりに長く、ひどく緊張した。開幕前だったため組織委員会の専用アプリは役に立たず、Googleマップを頼りに複雑なイタリアの交通状況をあれこれ計算しながら、バスと列車を乗り継がなければならなかった。
8日に行われるスノーボードの李相昊(イ・サンホ)選手の競技を取材するために7日に出発したリヴィーニョ行きは、さらに過酷だった。ミラノ中央駅から列車でティラーノまで2時間30分、再びバスでボルミオまで1時間、そしてまた別のバスに乗り換えてリヴィーニョへ向かうという、経由の連続だった。特にボルミオの乗り場での待ち時間が最も苦しかった。「20〜30分で来る」と言われていたバスは一向に姿を見せず、氷点下の寒風が吹く山岳地帯で地団駄を踏むしかなかった。ミラノの穏やかな気候だけを信じて薄着をしてきた自分を恨みながら、1時間を耐え抜いた末に、ようやくリヴィーニョ行きのバスに乗り込むことができた。
今大会は分散開催を標榜している。分散開催の最大の目的は費用削減だ。外信が推定した今大会の予算は約9兆ウォン(約9700億円)で、2年前のパリ五輪の12兆ウォンや2018年の平昌大会の14兆ウォンと比較して大幅に減少した。今大会のために新設したのはアイスホッケー会場とスライディングセンターだけだ。地域のバランス発展も考慮した。大都市だけで五輪が開かれれば、地方都市は莫大な経済的効果を享受できないからだ。
4年前の北京大会も万里の長城を越えた張家口で雪上競技を行い、8年前の平昌大会も江陵(カンヌン)と共に開催したが、今回のように2つの都市を大会名に併記することはなかった。1週間のうちにコルティナダンペッツォとリヴィーニョを往復して、なぜ「公式に」分散開催を選んだのかが分かった。3都市とも生活圏が異なり、距離もかなり離れているため、ミラノという一つの名前では包括できないのだ。
コルティナダンペッツォからリヴィーニョまで行くには、公共交通機関で実に18時間かかる。外信が今大会を指して「交通の悪夢」と揶揄し、「ウーバー(Uber)が最大の恩恵者」と皮肉る理由を骨身に染みて実感した。ニューヨーク・タイムズが指摘した通り、観覧客にとってこの旅路は毎日が国を横断するクロスカントリースキーも同然だ。公式のIDカードを持つ取材陣ですらこれほど過酷なのだから、一般の交通手段だけに頼らざるを得ない観覧客にとってはどれほど残酷な道だろうか。「持続可能性」という理想を追い求めるあまり、現実的なアクセシビリティを取り逃すという過ちを犯したのではないかという疑問が湧いた。
国際オリンピック委員会(IOC)も今回の五輪を通じて分散開催の明暗を痛感している雰囲気だ。カースティ・コベントリー会長は「持続可能性のために分散開催をしながらも、複雑になりすぎないよう、いかにバランスをうまく取れるかが問題」と指摘した。
ミラノからコルティナダンペッツォまで往復12時間、再びミラノからリヴィーニョを往復11時間。この凄まじい旅程の終わりに記者を慰めてくれたのは、車窓からの風景だった。皮肉なことに、私を苦しめたイタリア北部の険しい自然は、ひどい苦労を忘れさせるほど圧倒的に美しかった。コルティナダンペッツォへ向かうバスの中から目にしたアルプスの雪山の絶景は、1時間ずっと口が塞がらないほどであり、ティラーノへ向かう途中で出会ったコモ湖はアルプスの青い宝石のように輝いていた。絶景のおかげで、骨身に染みる苦労さえも贅沢な取材記として記憶することができた。
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