トランプ政権が23日(現地時間)に公開した新しい国家防衛戦略(NDS)の表紙。米国は34ページ分量のNDSで「韓国は高い国防費支出と強力な防衛産業、義務兵制度などで強力な軍事力を保有し、米国の制限された支援の下で北朝鮮を抑止する『主な責任』を負うことができる」と明らかにした。 [米国防総省ホームページ キャプチャー]
新しいNDSには韓国としては強く懸念される点がある。北朝鮮の核武力力量が日増しに増加しているという評価を入れながらも「非核化」には言及していない点だ。これに先立ちホワイトハウスが昨年末に公開した国家安全保障戦略(NSS)に続いて、今回の国防戦略でも北朝鮮の非核化が抜けたというのは、単純な表現上の違いでなく米政府の基調が変わっているというシグナルと解釈できる。実際、トランプ大統領は昨年1月の就任当日、北朝鮮を核国家(Nuclear Power)と表現し、何度も北朝鮮の核を認めるような姿を見せてきた。昨年10月の訪韓当時には金委員長との会談を提案しながら、対北朝鮮制裁解除の可能性にまで示唆した。このためワシントンポスト(WP)が最近の社説で指摘したように、韓半島(朝鮮半島)非核化はもう米国の選択肢ではなくて、結局は北朝鮮の核を認める方向に転換するのではという疑問が生じるしかない。
しかも米国の新しい国防戦略と李在明(イ・ジェミョン)政権の北核解決案が重なり、意図せぬ方向に北の問題が流れる可能性が懸念される。李在明大統領は北朝鮮の核問題にも現実に合う実用主義を強調し、凍結→軍縮→非核化という3段階の解決案を提示した。非核化という目標は堅持するというが、中間段階で提示された軍縮会談は北朝鮮が全く違う主張をしてくる口実を与える。核保有国同士が軍縮会談をしようというのが北朝鮮の以前からの要求事項であり、軍縮会談には非核国家の韓国は参加する資格もないというのが北朝鮮の計算だ。
米国の国防政策担当者のエルブリッジ・コルビー国防次官が昨日から訪韓している。NSSとNDSの作成に主導的な役割をしたコルビー次官は米本土防衛と中国牽制に集中しようとする米国の国防政策を強調するとみられる。ここには在韓米軍の役割変更と戦時作戦統制権の転換問題も連結している。政府は非核化のないNDSの含意を尋ね、非核化原則のための協調体制を維持するよう説得する必要がある。また、原子力潜水艦など韓国軍の自強力強化のための米国の支援を確保する契機として活用することが求められる。
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