北朝鮮軍が昨年末に休戦ライン一帯に鉄柵を設置した。[写真 聯合ニュース]
合同参謀本部は22日、「表示板が識別できない地域では(韓国軍の)軍事地図上のMDLと国連司令部のMDLの連結線を総合判断して措置している」と明らかにした。言葉は「総合判断」としたが、韓国軍が2015年に作成した軍事地図と国連軍司令部のMDLが一致しない場所は両方のうちより南側に引かれた線を基準として対応せよというのが新しい指針だ。韓国軍の地図のMDLが国連軍の地図より南側にあれば韓国軍の地図を、反対の場合は国連軍の地図のMDLを休戦ラインと見なす形だ。一部地域は数十メートルの差があるという。境界が不明確な地域で混乱を防ぎ南北の偶発的な衝突を防ぐための次元というのが韓国軍の説明だ。
新しいMDL判定指針は韓国軍が休戦ラインを譲歩することにならないかとの批判を避け難い。これだけではなく軍当局は先日北朝鮮軍がMDLを侵犯してきた場合、危害の意図がある時に限り警告射撃で対応しろとの趣旨の注文もした。一触即発の危機状況で危害の有無に対する評価を優先するならば対応のタイミングを逃しかねない。MDLを超えてきた北朝鮮軍を直接調査する前に危害意図があるのか判断することすら難しい。偶発的衝突で拡大する事態を防ぐためとはいうが、このように慎重さばかり強調すれば警戒態勢が崩れる恐れがある。
南北が軍事的緊張を解消し平和ムードを作るのは当面の課題だ。それでも厳格にMDL侵犯事例が起きている前方の最前線で警戒を緩めたり武装を弱めたりすることが起きてはならない。対話を準備するほどむしろ軍の警戒態勢はより強化しなければならない。東海に金剛山(クムガンサン)観光遊覧船が運航する中で西海(黄海)で南北海軍が交戦した事例もそれほど前のことではない。
しかも対話ムードに向け北朝鮮を刺激しないことと境界線を譲歩するのは次元が異なる問題だ。軍当局は国連軍司令部と韓国軍の地図の間に差がある部分をまず調整し、これを基に作戦の指針として対応していかなければならない。奪われれば取り戻すことができるが、差し出したものは取り戻すことができないという格言を軍当局は肝に銘じるよう願う。
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