12日、ソウル・江南のサムスンストアで「ギャラクシーZトライフォールド(写真下)」を購入するための列ができている。[写真 サムスン電子]
IT業界によると、サムスン電子は12日にギャラクシーZトライフォールドを韓国で発売した直後に初回生産分をすべて売り切った。製品に対する評価も肯定的だ。だが販売好調にもサムスン電子内部の雰囲気は明るいだけではない。技術力は立証したが、販売が増えても残るものがない構造だからだ。
サムスンが今回トライフォールドを出した背景には「技術力の証明」という目的が大きかった。2019年に世界で初め折りたたみスマホを発売したが、2回折りたたむ3つ折りスマホ委の発売は中国ファーウェイに先手を奪われた。昨年9月に「メイトXT」を出したファーウェイは1年後の今年9月に第2世代製品となる「メイトXTs」を新たに出した。サムスンの立場では「われわれもできる」という点を明確に見せる必要があった。これに対しサムスン電子の盧泰文(ノ・テムン)DX(デバイス経験)部門長は7月の行事で「トライフォールドの年内発売を目標に準備している」として発売を公式化した。
製品が公開されてから性能に対しては友好的反応が出ている。画面の両サイドを内側に折りたたむインフォールド方式を採択しファーウェイのZ字形に折りたたむ方式より耐久性を強化した。スマートフォンの頭脳に当たるアプリケーションプロセッサ(AP)もクアルコムの「スナップドラゴン8エリート」を搭載し、メイトXTsに搭載されたファーウェイ独自のAP「キリン9020」の性能を超えたという評価だ。広げた時の厚さもやはりファーウェイの3.6ミリメートルと同水準となる3.9ミリメートルの超スリム設計を実現した。
価格も予想より低く設定された。公式出庫価格は359万400ウォン(約38万円)だ。競合製品のファーウェイ「メイトXTs」の512GBモデルが1万9999元(約44万円)であるのと比較すると6万円ほど安い。サムスン電子のイム・ソンテク韓国総括副社長が2日の会見で「抑えに抑えてどうにか実現した価格」と言及した背景もここにある。
問題はマージン率だ。トライフォールドフォンには有機ELパネルと高性能APが使われる。ここにメモリー価格上昇も原価負担を増やしている。市場調査会社トレンドフォースは「10-12月期のDRAM契約価格は前年比75%以上上昇するだろう。メモリーがスマートフォンの部品原価の10~15%を占める点を考慮すれば、今年スマートフォンの単価は約8~10%上昇するだろう」と予想する。祥明(サンミョン)大学システム半導体工学科のイ・ジョンファン教授は「原価負担はあるが価格をあまり上げると消費者が買わなさそうなのでサムスンはいろいろ悩んだだろう。マージンは多く残りにくい構造」と話した。
実際にサムスン電子は韓国での販売好調にも追加生産拡大については苦心しているという。折りたたみスマホ市場でのシェア拡大と中国企業との技術格差維持を考慮すれば生産拡大が必要だが収益性負担を無視できないためだ。ギャラクシーZトライフォールドの韓国での販売台数は2000~3000台、世界では2万台程度と推定される。
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