トランプ米大統領が10月末のアジア訪問の際に専用機内で記者らと問答している。[写真 AP=聯合ニュース]
歴代米国政権は1990年代初めに北朝鮮の核問題がふくらんでから継続して非核化を政策目標のひとつとして提示してきた。バイデン政権はNSSに「韓半島(朝鮮半島)の完全な非核化に進む具体的な進展を作るため拡大抑止政策を追求する」と盛り込んだ。第1次トランプ政権のNSSも北朝鮮問題を16回にわたり取り上げ、「韓半島非核化」を強調した。第2次トランプ政権発足後もこうした基調に変化はないものとみられてきた。そうした点から33ページのNSSのどこにも「北朝鮮」という単語が出てこないのは通常ではない。もちろんまだこれが米国の北朝鮮非核化に対する政策転換を意味するのか予断するはできない。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を対話の場に呼び出すための雰囲気作りの次元との見方もある。だが安易にみることではない。韓国政府は米国の意図を綿密に把握し、堅固な韓米同盟の基調の下で非核化原則を堅持していかなければならない。
問題はここにとどまらない。中国が先月27日に19年ぶりに刊行した軍事白書でも既存の「韓半島非核化」という表現が消えた。代わりに中国は「政治的解決」という言葉を登場させた。「韓半島非核化」という表現は北朝鮮の核開発が国際社会の懸案になってから中国が公式文書や会談の席上でただ一度も欠かしたことのない韓半島政策の根幹だった。すべての政府文書で統一された表現を使う中国の軍事白書から非核化が消えたことを軽く見ることはできない理由だ。もちろんこれがただちに核保有認定を意味するものではないが、韓国政府は表現が変わった背景を尋ね、また問わなくてはならない。
ほぼ同じ時期に刊行された米中両国の安全保障政策書から非核化が消えたのはただ見過ごせる問題ではない。北朝鮮が最も望んでいたことが現実に現れているのではないかとの懸念を禁じ得ない。大統領室の魏聖洛(ウィ・ソンラク)安保室長はきのう「韓米同盟ルネサンス、世界的実用外交、南北軍事緊張緩和」を李在明(イ・ジェミョン)政権6カ月の成果に挙げた。北朝鮮と対話を復元して交流協力を拡大し平和ムードを作ることは絶対に必要だ。それでも核問題が後回しにされてはならない。国際社会が北朝鮮の核を容認することがないよう徹底して対応していかなければならない。自画自賛に酔っている時ではない。
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