建設現場の足場職人出身のマラソンランナー、シム・ジンソクさんが24日、ソウル・麻浦区(マポグ)の中央日報スタジオでインタビューに応じ、練習時に履いている安全靴を持ち上げて見せている。キム・ギョンロク記者
シムさんはプロのマラソン選手ではない。本業は、建設現場で足場(高所で作業できるよう一時的に組む構造物)を設置・解体する足場職人だ。しかし今年3月から一度も休むことなくマラソン大会に参加し、27大会連続優勝、フルコース(42.195km)では2時間31分15秒という記録を残した。マラソン愛好家の間で“サブ3(3時間以内のフル完走)”が夢とされている点を考えると、注目すべき成果だ。
シムさんは24日、ソウル・麻浦区(マポグ)の中央日報で行われたインタビューで「一番大きな目標は、以前の自分を超えることだ」と語った。マラソンという競技は、他人との比較や競争では決してないと強調しながらだ。
彼は厳しい足場職人の仕事の合間にも、安全靴を履いて走る“安全靴トレーニング”を続けてきた。シムさんは「マラソンそのものが好きなので、耐えて続けているうちに慣れた」と話した。体調の優れない両親や、障害のある兄に代わって家族の生計を支えるために、工事現場の車両・人員誘導員から、給料の高い足場職人の仕事に転じたものの、愛するマラソンだけは諦められなかった。
シムさんにとってマラソンで最も重要なのは完走と記録で、順位はその次だ。シムさんは「コロナ(大流行期間の)空白期の後、昨年10月20日に初めて出場したハーフマラソンで出した記録(1時間23分53秒)を、1週間後の別の大会で9分縮めた」と満面の笑みを浮かべた。
◇「自分の走り方を信じる…他人の真似をする必要はない」
シムさんは、マラソンでは禁忌のように扱われる全力疾走を行うことで、「オーバーペースだ」との指摘を受けることもある。これについてシムさんは「他の人が何と言おうと、これが準備されたペースだ」とし、「自分だけの特別な走り方でありルーティンであり、自分自身を信じて走っている」と語った。
シムさんは、マラソン愛好者たちがよく使うスポーツ腕時計も使わず、1万ウォン(約1060円)の“カシオ”の時計を着けている。高価な装備は重要ではないという理由からだ。シムさんは「他の人を真似する必要はない」「それぞれが自分だけのスタイルでやるのが一番いい」と強調した。
シムさんのYouTubeチャンネルの登録者は、開設から1カ月余りで21万人を超えた。動画には「これまで私はあらゆる言い訳の中で生きてきた」といったコメントが寄せられている。厳しい状況でも情熱と精神力だけで走ってきたシムさんの“浪漫”に魅了された人々の反応だ。シムさんは「最初の1~2カ月は足にまめもでき、足の裏もとても痛かった」とし、「そんな時は『絶対に諦めない』と歯を食いしばって続けた」と語った。シムさんは自身が海兵隊出身であることを強調しながら「掛け声も上げ、声も出し、自由に走る」と笑った。
今後の目標を尋ねると、シムさんは「100歳まで走り続ける」と答えた。最近、足場職人としての契約が終了したため、現在はマラソン協会で働きながら練習を続けている。
彼は何度も完走の重要性を強調し、「レースの途中では絶対に諦めない。諦めたら結局、出発地点までまた戻らないといけないのは同じだ。それなら完走地点まで行ってみるべきだ」と語った。
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