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安全靴を履いて走る“浪漫ランナー” 韓国アマチュア界に彗星のごとく登場

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

建設現場の足場職人出身のマラソンランナー、シム・ジンソクさんが24日、ソウル・麻浦区(マポグ)の中央日報スタジオでインタビューに応じ、練習時に履いている安全靴を持ち上げて見せている。キム・ギョンロク記者

毎日早朝、重い安全靴を履き、安全帽と水筒の入ったバッグを背負ったまま建設現場に向かって走った。退勤時も同じだった。往復8キロを“練習”だと考えて走った。こうして鍛えた体力で、全国各地のマラソン大会で1位を次々と総なめにした。最近、オンラインコミュニティなどで“浪漫ランナー”と呼ばれ、アマチュアマラソン界に彗星のように登場したシム・ジンソクさん(29)の物語だ。

シムさんはプロのマラソン選手ではない。本業は、建設現場で足場(高所で作業できるよう一時的に組む構造物)を設置・解体する足場職人だ。しかし今年3月から一度も休むことなくマラソン大会に参加し、27大会連続優勝、フルコース(42.195km)では2時間31分15秒という記録を残した。マラソン愛好家の間で“サブ3(3時間以内のフル完走)”が夢とされている点を考えると、注目すべき成果だ。


シムさんは24日、ソウル・麻浦区(マポグ)の中央日報で行われたインタビューで「一番大きな目標は、以前の自分を超えることだ」と語った。マラソンという競技は、他人との比較や競争では決してないと強調しながらだ。


彼は厳しい足場職人の仕事の合間にも、安全靴を履いて走る“安全靴トレーニング”を続けてきた。シムさんは「マラソンそのものが好きなので、耐えて続けているうちに慣れた」と話した。体調の優れない両親や、障害のある兄に代わって家族の生計を支えるために、工事現場の車両・人員誘導員から、給料の高い足場職人の仕事に転じたものの、愛するマラソンだけは諦められなかった。

シムさんにとってマラソンで最も重要なのは完走と記録で、順位はその次だ。シムさんは「コロナ(大流行期間の)空白期の後、昨年10月20日に初めて出場したハーフマラソンで出した記録(1時間23分53秒)を、1週間後の別の大会で9分縮めた」と満面の笑みを浮かべた。

◇「自分の走り方を信じる…他人の真似をする必要はない」

シムさんは、マラソンでは禁忌のように扱われる全力疾走を行うことで、「オーバーペースだ」との指摘を受けることもある。これについてシムさんは「他の人が何と言おうと、これが準備されたペースだ」とし、「自分だけの特別な走り方でありルーティンであり、自分自身を信じて走っている」と語った。

シムさんは、マラソン愛好者たちがよく使うスポーツ腕時計も使わず、1万ウォン(約1060円)の“カシオ”の時計を着けている。高価な装備は重要ではないという理由からだ。シムさんは「他の人を真似する必要はない」「それぞれが自分だけのスタイルでやるのが一番いい」と強調した。

シムさんのYouTubeチャンネルの登録者は、開設から1カ月余りで21万人を超えた。動画には「これまで私はあらゆる言い訳の中で生きてきた」といったコメントが寄せられている。厳しい状況でも情熱と精神力だけで走ってきたシムさんの“浪漫”に魅了された人々の反応だ。シムさんは「最初の1~2カ月は足にまめもでき、足の裏もとても痛かった」とし、「そんな時は『絶対に諦めない』と歯を食いしばって続けた」と語った。シムさんは自身が海兵隊出身であることを強調しながら「掛け声も上げ、声も出し、自由に走る」と笑った。

今後の目標を尋ねると、シムさんは「100歳まで走り続ける」と答えた。最近、足場職人としての契約が終了したため、現在はマラソン協会で働きながら練習を続けている。

彼は何度も完走の重要性を強調し、「レースの途中では絶対に諦めない。諦めたら結局、出発地点までまた戻らないといけないのは同じだ。それなら完走地点まで行ってみるべきだ」と語った。



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