<創刊企画「大韓民国トリガー60」(52) >「蝶で稼ぐとは」 ミスター地方自治・金大中、咸平で理想を見た(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2025.11.21 15:50
全南咸平(ハムピョン)の「蝶まつり」
◆「竜仁軽電鉄事業」など副作用も多く
自治体長の成果は政治的エネルギーに転換されたりもした。李明博元大統領はソウル市長当時、22万人の商人の反対を乗り越えて清渓川(チョンゲチョン)復元事業を成功させ、大統領候補に浮上した。地域発展の成果が中央政治の「登竜門」となった代表的な事例だ。
暗い影もあった。2000年代初めの「竜仁(ヨンイン)軽電鉄」事業がそれだ。当時、李正文(イ・ジョンムン)竜仁市長は利用客一日16万人という予測を信じて事業を強行した。しかし実際は予測値の6%にすぎなかった。この失敗は2005年の「住民訴訟制」導入のトリガーとなった。2013年に住民は訴訟を提起し、今年7月、大法院(最高裁)は団体長の賠償責任を認めた。団体長の治績欲望に法的に足かせをはめた瞬間だ。また、1999年に導入された予備妥当性調査が地方民間投資事業にまで拡大適用された。その後、財政影響評価が追加されるなど中央政府の財政統制システムが強化される直接的な原因になった。このように地方自治制は創意性と自律性の下で地域発展を成し遂げたりもしたが、反対に制度運用の限界を繰り返し表した。
李在明(イ・ジェミョン)政権は「地域消滅」という巨大な挑戦に直面した。課題は明確だ。まず、うわべだけの自治を越えた実質的権限移譲が必要だ。文在寅政権が導入した「自治警察制」は人事・予算権がなく、地方行政と治安が分離した状態だ。本当の住民密着型治安のためには組織と予算の果敢な移譲が欠かせない。財政分権も重要だ。李在明政権が掲げた「国税:地方税7:3」公約が実現するかどうかが真の地方自治の成敗を決めるだろう。実質的な財政分権なく推進される「超広域戦略」(市・道行政区域を越えて事業を連係するメガシティ構想)は過去の「釜山・蔚山・慶南特別連合」廃止事態のように「不必要」という批判の中で座礁する恐れがある。一部では行政安全部・企画財政部・教育部など中央部処が一部の権限を地方自治体に移譲する程度の分権改革が必要だという主張がある。歴史的に中央集権の伝統が強いフランスは1982年に「地方政府の義務に関する法」を作り、外交・国防関連の権限を除いて残りの権限を地方政府に委任する改革を断行した。また、2003年の憲法改正を通じて地方分権原則を明示(憲法1条)し、地方自治体の権限・財政自律性・住民参加を強化した。
地方消滅時代という危機を迎えた大韓民国も果敢な改革が要求される。単純に団体長や機関の権限を増やす「自治1.0」時代を越えなければいけない。実質的な財政と自治権限を確保した中で地域住民が主権者として直接参加して決める「自治2.0」時代に進まなければいけない。
<創刊企画「大韓民国トリガー60」(52) >「蝶で稼ぐとは」 ミスター地方自治・金大中、咸平で理想を見た(1)
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