先月31日、慶州APEC首脳会議の夕食会で公演する歌手G-DRAGON、[写真 韓国大統領室]
15日に中国浙江省杭州市で始まった歌手G-DRAGONのメディア展示「Übermensch(ウーバーメンシュ)」を訪れたある中国人の反応だ。ともに投稿された動画には観客が長く列を作る姿も写っていた。
この展示は2月にリリースされたG-DRAGONの同名のアルバムに込められたメッセージを人工知能と拡張現実などを活用してメディアアートとして表現したもの。3月にソウルで初めて公開された後、東京、大阪、台北、香港などアジアの主要都市で展示された。そして中国大陸で最初の展示を杭州で開催した。
当初5月のワールドツアーとともに上海での展示を計画していたが突然延期された。公式ポスターまでできた状態だった。その後G-DRAGONは慶州(キョンジュ)で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の公式広報大使として先月31日に中国の習近平国家主席が参加した夕食会でステージに上がったりもした。
こうした中でG-DRAGONの杭州での展示が実現し期待も膨らんだ。8年以上続いた中国の「限韓令」が解除されるのではないかということだ。韓国大統領室は李在明(イ・ジェミョン)大統領と習近平国家主席による首脳会談を契機に韓中関係が全面復元されたと評価している。
果たして「限韓令解除」とは現実性の望みだろうか。これは韓中関係に薫風が吹くたびに毎回議論された。韓国国籍でない大衆歌手やヒップホップ、ジャズなど特定ジャンルの韓国アーティスト公演はすでに行われている。唯一韓国国籍のK-POP歌手にだけ敷居を高めているのは結局中国当局が気に入らないためだ。
中国当局は韓中文化交流を強調しながらも「健全性」を条件につけた。韓国文化にはまった数千人、数万人が集まるK-POP歌手の大規模公演は健全なのか、そうでなければ健全ではないのか。韓国から渡ってきた演劇とミュージカルは幕を開けており、韓国ゲームにも版号(発売に向けた免許)を発給している。健全さという条件は主観的だ。
すでに何回もK-POPグループ公演が具体的スケジュールまで出てきたのに失敗に終わった。公演計画を報道した記者だけが鼻が長くなるピノキオの境遇だ。両国の関係がますます近づく雰囲気にも最初から「限韓令解除なんてない」と考える方が気が楽な局面だ。
最近の「カカオトーク解除」のハプニングに万感が交差した。中国がアクセス制限を終わらせたという解釈もあった。韓国で真偽を問う人たちには「あなたがよく知らないからだ」という言葉は控え、前後の事情を長く説明した。いまも仮想プライベートネットワーク(VPN)がなければカカオトークのメッセージは送れない。
イ・ドソン/北京特派員
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