マセラティの電気SUV「グレカーレ・フォルゴーレ」
◇変わる社会…スーパーカーの悩みは
スーパーカーにとって電気自動車とは「感性を失った車」の代名詞だった。騒がしい排気音、強烈な振動、高回転エンジンの爆発力こそスーパーカーの存在理由だったためだ。だが時代の変化に全身で抵抗しながら歴史の裏道に消えかねないという懸念は大きくなっていった。まず規制の壁が彼らの行く手を阻んだ。欧州連合(EU)の炭素排出規制は新車のCO2規制を公式化した。あるブランドが1年間に欧州で販売したすべての新車の平均CO2排出量を計算し、基準を超過すれば罰金を払わなくてはならない。これがスーパーカーには特に致命的だった。例えばランボルギーニのように馬力800以上、重さ2トン以上の車は当然炭素排出量が高い。生産量は年1万台未満。少数生産体制では数台が過多排出するだけで全体平均が崩れる。何億ウォンの車を1台売っても、その車だけで数百万~数千万ウォンの罰金がついてくる構造だ。
電気自動車市場が需要低迷に陥りながらも結局は成長するという見通しもスーパーカーブランドには市場参加への圧力として作用した。市場調査会社プリセデンスリサーチは世界の高級電気自動車市場規模が今年の2632億5000万ドルから2034年には1兆1694億ドル規模に大きくなるものと予想する。
◇エンジン音の代わりに機械音
最も速く動いたのはマセラティだ。マセラティは2019年にイタリア北部モデナにある工場で一部エンジン車の生産中止を宣言した。1914年の創業から100年以上にわたり主力モデルの生産工場だったここを電動化に向け作り替えた。エンジンの代わりにモーターとバッテリー基盤の電気自動車に方向を変えた瞬間だった。
マセラティの象徴はルチアーノ・パバロッティをはじめとする音楽家らとコラボして作ったというマセラティならではの排気音だった。マセラティは「自然吸気エンジンがない電気自動車では人工排気音を作り出す」として自信を見せた。その後発売されたマセラティの電気自動車ではデジタルで再現された排気音が搭載された。
フェラーリもやはり同じだ。フェラーリ初の純電気自動車「エレットリカ」には人為的なサウンドシステムの代わりにモーターの回転と振動を感知してリアルタイムで増幅・伝達する独自サウンド設計を使った。これを通じてドライバーはまるでエンジン車のスポーツカーを運転しているような感覚を得るだろうというのがフェラーリの説明だ。
◇スーパーカー動かす韓国バッテリー
野獣の心臓のようなエンジンをはずしたが電気自動車時代のスーパーカーはさらに強力になった。最高速度時速300キロメートル、停止状態から時速100キロメートルまで2.5秒.この怪物に動力を供給するのはほかでもない「韓国バッテリー」だ。
最近韓国のバッテリー3社はともに欧州のスーパーカーブランドとの戦略的同盟を強化した。SKオンはフェラーリ、LGエナジーソリューションはポルシェ、サムスンSDIはランボルギーニと手を組んだ。電気自動車市場が停滞に陥る間、プレミアム市場で高性能技術力により存在感を強化するという戦略だ。
SKオンは2025年発売予定のフェラーリ初の純電気自動車「エレットリカ」に高性能ハイニッケルバッテリーを供給する。このバッテリーは一度の充電で約530キロメートル走り、1000馬力に達する出力を後押しする。三重冷却構造と車体統合型バッテリー設計は電力効率と衝撃安定性まで同時に満足させる。
デジタルで爆音出しながら時速300キロ…電気で走ってもスーパーカーはスーパーカー(2)
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