北朝鮮の金永南前最高人民会議常任委員長。[写真 平壌写真共同取材団]
朝鮮中央通信は4日、「わが党と国家の強化発展史に突出した功績を残した老世代革命家である金永南同志が97歳で高貴な生を終えた」と訃報を伝えた。死因はがん性中毒による多臓器不全と伝えられた。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は4日午前1時、主要幹部らとともに金前常任委員長の遺体が安置された平壌の西章(ソジャン)会館を訪れ弔問した。
金前常任委員長の葬儀は最高人民会議常任委員会と内閣の決定により国葬として行われる。国家葬儀委員会には金委員長をはじめ、朴泰成(パク・テソン)首相、崔竜海(チェ・ヨンヘ)最高人民会議常任委員長ら幹部が名前を上げた。
弔問は4日午前9時から午後7時まで行われ、出棺は5日午前9時だ。
金前常任委員長は労働党国際部と外務省などで務めた正統外交官出身で、金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)、金正恩の3代にわたり北朝鮮外交で重責を担ってきた北朝鮮外交の生き証人だ。特に3代権力体制の変化の中でも高位幹部ならばだれでも1度は経験する左遷や「革命化」を一度も経なかった人物だ。
金正日政権では対外活動を忌避した金正日国防委員長に代わり事実上の首脳外交を引き受け北朝鮮の代表として国際社会に顔を知らせた。
金正恩政権になっても北朝鮮を訪問した最高級要人を出迎えるなど首脳外交のひとつの軸として活躍したが、2019年に91歳で60年にわたり続けてきた公職生活を終えた。
2018年の平昌冬季五輪の際は北朝鮮代表団を率いて金正恩委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン)副部長とともに訪韓し、当時の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会っている。
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