ソウル 江南(カンナム)のある飲食店街を走っている配達ライダー。[写真 聯合ニュース]
オンラインプラットフォームが首都圏と非首都圏の雇用・売上の格差を拡大させていることが分かった。17日、韓国銀行(BOK)が光州(クァンジュ)で開催した「BOK地域経済シンポジウム」で発表した資料によると、地域内のオンライン消費の比率が1%ポイント上昇するごとに、非首都圏地域の自営業雇用は人口1万人あたり9.8人減少するという結果が出た。自営業者は6.1人、従業員は3.7人減った。自営業者が減ったというのは、それだけ廃業も多かったことを意味する。一方、首都圏では大きな影響は見られなかった。
李昌鏞(イ・チャンヨン)韓銀総裁は「規模が大きく首都圏に位置する企業はプラットフォームという変化に素早く対応して成果を上げた一方、伝統的な店舗小売に依存していた非首都圏の零細企業は営業基盤がさらに悪化し、経営が難しくなった」と述べた。
自営業者の「規模別」格差も拡大したと分析されている。格差の指標となる全国自営業者の五分位分配率(下位20%に対する上位20%の売上倍率)を見ると、小売業ではコロナ大流行前の2018~2019年に109.9倍だったのが、2022~2023年には235.3倍へと大きく広がった。
◇「限界自営業者への金融支援、かえって周辺店舗の売上を低下させる」
こうした「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」現象は地方でより深刻だった。地域内で飲食デリバリープラットフォームの比率が10%ポイント上昇すると、売上の上位・下位20%の企業間の成長率の差が、首都圏では3.2%ポイント、非首都圏では6.3%ポイントに広がった。配達の民族(ペダルミンジョク)やクーパン(Coupang)のような配達プラットフォームの成長によって、飲食業でも大規模な店舗がより大きな恩恵を受け、特に非首都圏でその傾向が顕著だったという。これは首都圏に比べて、地方の自営業者のオンラインプラットフォームへの活用や適応力が相対的に劣るためとみられている。
韓銀地域経済調査チームのチョン・ミンス氏は「(売上上位の業者は)オンラインを活用して営業地域が全国へと広がり、大企業化・大規模化が進んだようだ」とし「地域で営業していた人たちは、オンライン業者や大規模業者が入ってくることで営業基盤を失った場合もある」と説明した。
韓国政府の金融支援が生産性の低い自営業者の廃業防止に偏り、非効率を生んでいるという指摘も出ている。韓銀が2018~2023年の政府の金融支援を受けた卸売業、小売業、飲食業を分析した結果、政策資金を受けた業者は1年後、売上が8.8%、雇用が1.2%増加し、廃業確率も1.6%ポイント減少した。ただし、実際の効果は大部分が創業初期・小規模・青年層の業者に集中していた。
特に金融支援を受けている低成長(過去3年間売上がマイナス成長など)の業者の比率が1%ポイント増えると、地域内の他の自営業者の売上が1.7%減少するという否定的な効果も現れた。競争力を失った業者に対する過剰な支援が、かえって他の業者の成長を妨げる可能性があるということだ。チョン氏は「競争力の低い業者が金融支援を受けて店舗や従業員を維持し続ければ、正常な業者の生産コストも高まる側面がある」と説明した。
韓銀は、プラットフォーム経済の影響力が今後も持続すると予想されることから、自営業者への政策も成長の潜在力が大きいところを選別して展開する必要があると指摘した。李総裁は「セーフティネットの網目を狭め、競争から取り残された自営業者の再起を支援するとともに、場合によっては自然な転業も促す必要がある」と述べた。
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