紫色のドレスを着た故ダイアナ妃の肖像画。1991年に描かれた。[英国ロイヤルマスデン財団のホームページ キャプチャー]
このセーターはダイアナ妃が当時皇太子だったチャールズ3世と婚約した直後の1981年6月、ポロ競技場に着用して登場したものだ。赤色の下地に白い羊の群れが列をなしているが、その中に黒い羊が1匹だけ入っている模様が特徴だ。
BBCによると、このようなデザインは英国王室で孤立無援だったダイアナ妃の境遇を象徴するとみられてきた。このためにダイアナ妃が生前に着た最も有名な衣装の一つに挙げられ、英国王室の話を扱ったNetflix(ネットフリックス)のドラマ『ザ・クラウン』にも登場する。
当初サザビーズ側はセーターの落札値を5万~8万ドルと予想していた。しかし入札が殺到し、最後の瞬間に入札価格が一気に上昇して結局114万ドルで落札された。これは今年1月のオークションで60万4000ドルで落札された舞踏会のドレスの2倍に達する金額だ。あわせてサザビーはこのセーターが今までオークションに出てきたダイアナ妃の服の中で最も高く売れたと明らかにした。
一方、このセーターを作った英国ファッションブランド「Warm & Wonderful」の創業者ジョアンナ・オズボーン氏は今年3月に屋根裏部屋でこのセーターを発見した。同社側によると、ダイアナ妃はこのセーターを着てポロ競技場に登場した後、セーターの袖がほつれたとして修繕または交換を問い合わせる手紙を送った。その後同社はダイアナ妃に新しいセーターを送り、ほつれたセーターも修繕して届けたと考えていたが、実はオズボーン氏の屋根裏部屋に保管されていた。
サザビーズはセーターとともに修繕依頼の手紙、ダイアナ妃の秘書が送った感謝の手紙もあわせてオークションに出した。また、セーターにできた小さな穴を通じて真偽を確認したとBBCは伝えた。
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