「チームのためという気持ちでした行動だったが、感情が良くなかったのは事実だ。試合中に良くない姿を見せたことに対し謝りたい。選手たちに特に申し訳ない」。

アフリカの伏兵ガーナとの大接戦で惜敗したサッカー韓国代表のパウロ・ベント監督が審判の判定に抗議して退場させられた状況について選手に謝罪した。

ベント監督は２９日にドーハのアル・エグラ・トレーニングセンターで開かれた記者会見で、「主審はイングランドのプレミアリーグで活動する方だが、韓国チームに対する尊重は足りなかったようだ。そうだとしても感情を統制できなかったのは私のミス」と話した。


韓国は前日のガーナとの対戦に２－３で敗れた。前半に２点を許した後、後半に２点を得て追いつき勝負の均衡を合わせ、追加失点後の後半アディショナルタイム終盤まで大追撃戦を繰り広げた名勝負だった。

惜しくも敗れた韓国はグループリーグ２試合で１敗１分けを記録、勝ち点１でグループ３位に落ちた。ポルトガルが２連勝、勝ち点６で早々にベスト１６行きを確定し、ガーナが１勝１敗、勝ち点４点で２位だ。ウルグアイは韓国と勝ち点と戦績は同じだが、得失点差により４位だ。

ベント監督は「私が次の試合にベンチに入れないことが良い状況と言うことはできない。すべてが私の責任。幸い私たちはこれまでしてきたようにしており、なにをすべきかもよくわかっている。次の試合まで私たちが準備したことをみんな発揮できる方法を探したい」と話した。続けて「ポルトガル戦で良いチームが何か、良い組織力が何かを見せたい」と付け加えた。

「負けたがよく戦った」という評価を引き出した血闘だったが、試合終了過程が釈然としなかった。１０分の後半アディショナルタイムを通じて大攻勢を展開した韓国が最後の瞬間にコーナーキックのチャンスをつかんだが、主審がこれを認めずに試合を終えた。これに対し激怒したベント監督が主審に駆け寄り激しく抗議してレッドカードを受け退場させられた。ベント監督は３日のポルトガルとのグループリーグ第３戦当日にベンチに入ることができなくなった。

大会規定上、選手・コーチ陣など試合参加者が試合中に通信道具などを利用して外部と連絡を取ることが一切禁止されている。ポルトガル戦当日はＶＩＰ席で試合を見守るベント監督がベンチに戦術変更や選手交代などの意思を伝えるのは不可能だという意味だ。

ベント監督は「規定上ベンチと意見をやり取りすることはできないが、私以外のコーチ陣もみんな実力のある人たちでみんがともにチームの練習を引っ張ってきた。私がいなくてもうまく対処できるようにシステムを作る」と約束した。

この日サッカー韓国代表チームはガーナ戦での惜敗の余韻を払いのけてトレーニングを再開した。孫興民（トッテナム）と金敏在（キム・ミンジェ、ナポリ）、黄喜燦（ファン・ヒチャン、ウルバーハンプトン）などリハビリ中の選手らのコンディション回復がカギだ。ポルトガルの選手と戦術的特性に備えた戦略を立てることも重要な課題だ。

ベント監督は「黄喜燦と金敏在がともに負傷中だが両選手の状況はそれぞれ違う。両選手とも代表チームに犠牲になるという気持ちが大きい。まだ時間が残っているだけに状態を見守りながら活用について決めたい」とした。

韓国がベスト１６に進出するにはポルトガルとの試合で必ず勝ち、ウルグアイ－ガーナ戦の結果を見守らなければならない。ガーナがウルグアイと引き分けるか負ければ得失点と勝ち点などによりベスト１６に上がる可能性が開かれる。ガーナが勝てばベスト１６進出の道は断たれる。

「私たちはガーナ戦でさまざまな面で良い面を見せたが（勝利するには）十分でなかった」と言及した彼は、「ポルトガルのような強いチームに勝つには多くのことをしっかり準備しなければならない。私たちが持っている能力の限界まで引き出してプレーするよう準備するだろう」と念を押した。続けて「２つの試合で出た良い姿を適切に引き出しミスは減らしていくことが残された課題」と強調した。