１５６人が犠牲となった韓国梨泰院（イテウォン）圧死事件の原因をめぐり、一部ネット上ではいわゆる「ウサギの耳の男」探しが始まった。ハロウィンの扮装のためにウサギの耳のカチューシャをしていた男性を含む一行が後ろから押したという経験談や目撃談が広がり、事故当日の映像や写真の中のウサギ耳の男探しが始まっている。

だが、この過程で２次被害者が発生する場合や「魔女狩り」に発展しかねないという憂慮が出てきている。実際、ある男性はモザイクなしでネット上に自分の顔が公開されて被害を受けた。該当の男性Ａさんは１日、インスタグラムを通じて「ウサギの耳のカチューシャはしていたが、事故当時、梨泰院から離れて合井（ハプチョン）に行った」と説明して事件当日の公共交通利用内訳の写真を掲載した。

Ａさんは自分を狙った掲示物の写真とあわせて「私と友人がハロウィン事故の犯人として魔女狩りに遭っている」とし「ウサギの耳のカチューシャをしてその日梨泰院を訪れた事実に間違いはないが、事故当時、私と友人は梨泰院を離れた後だった」と説明した。該当掲示物にはＡさんに対する悪口や人身攻撃性のコメントが次々と書き込まれた。Ａさんは該当の掲示物にも直接コメントをして「友人１人と梨泰院に行ったが人があまりにも多すぎて１０時前に梨泰院を離れた。証拠も十分にある」とし、掲示物を削除するよう要請した。


Ａさんが公開した公共交通利用内訳を見ると、梨泰院事故の最初の申告時刻は先月２９日午後１０時１５分だが、Ａさんが梨泰院駅で地下鉄に乗ったのは２０分前の午後９時５５分だった。そして午後１０時１５分に合井駅で下車した。Ａさんは「誤解もあるかもしれないが、魔女狩りはもうやめてほしい」と訴える一方、「全部虚偽事実流布で告訴する」と警告した。Ａさんは黒のウサギの耳をしていたが、実際に押した男性は白のウサギの耳をしていたという主張も登場している。

これに先立ってネット上では「２０代後半とみられる男が『押せ！押せ！』といい、人々がバタバタと倒れた。ウサギの耳をしていた」「２０代と見えられる男５～６人が押した」等の主張が提起されて疑惑が広がった。

警察は目撃者の陳述や近くの防犯カメラ、ネット上の映像物の分析などを基に事故原因を調査している。

一方、中央災難（災害）安全対策本部（中央対策本部）は１０月３１日午後１１時基準で梨泰院圧死事故による人命被害が死亡者１５５人、負傷者１５２人など合計３０７人だと発表していた（１日に死亡者１人確認されて現在は死亡者１５６人）。