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コロナなぜ頻繁に変異株を生み出すのか、米研究チームが見つけた2つのカギ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスが進化している。世界的に新型コロナウイルスの感染拡大傾向が続く中で、既存のウイルスより感染力が強いインド由来のデルタ株が優勢な株としての位置を確立した。

ウイルスが突然変異を作り出すのは自然なことだ。生き残りと競合に有利な形質を持つようにウイルスを増殖しようとする性質のためだ。科学者はインド発のデルタ株もこうした選択圧のためにできたとみている。

◇27個の共通「抗体クロノタイプ」発見


生命科学学術誌「セルリポート」に9日に掲載された米国のバンダービルト医大研究チームの論文では新型コロナウイルス回復期の抗体反応に対する研究結果を取り上げた。この研究が特に目を引くのは、新型コロナウイルスの変異をもたらす遺伝的選択圧に焦点を合わせたためだ。

研究チームによると、新型コロナウイルスに感染した人でもワクチンを接種した人たちから27個の共有抗体クロノタイプ(同じ形質を持っている細胞集団)が発見された。特にこのうち2個は変異ができないスパイク蛋白質の保存領域を識別することが明らかになった。

スパイク蛋白質はウイルスが体内に浸透し細胞と結合する時に活用され、感染の「核心キー」の役割をするが、この保存領域を識別するクロノタイプが見つかったのは今回が初めてだ。

◇「共通クロノタイプで抗体誘導可能」

人の体で抗体を作る役割をするのは白血球の一種であるBリンパ球(B細胞)だ。新型コロナウイルスのようなウイルスが細胞の表面にくっつけばBリンパ球は多数の同一細胞に分裂する。その後成熟過程を経て形質細胞に変わるが、これは免疫抗体を作る役割をする。これが血流とリンパ系などに放出されてウイルスの細胞感染を防ぐ中和抗体となる。

問題はスパイク蛋白質で中和抗体の標的になる部分は抗体を避けながら変わる特性を持っている点だ。このようにウイルスの変異が起きることになり、体内ですでに生成された循環抗体がウイルスを見つけられないようにする。

だがさまざまな人の体内に変異が容易な部分を標的とする抗体が形成されれば、変異に対する選択圧として作用できる。この遺伝形質が同じ抗体クロノタイプを多くの人が共有すれば、これらの共通点を利用してワクチンと治療剤を開発するのが非常に容易になる。

研究責任者のジェームズ・クロウ・ジュニア博士は「新型コロナウイルスに感染した人たちが共有する抗体クロノタイプがこれほど多いということに驚いた。これは良いシグナルでもある。特にメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンが抗体クローンを誘導でき鼓舞的だ」と明らかにした。

◇「スパイク蛋白質」がコロナのアキレス腱

このためスパイク蛋白質の保存領域こそ新型コロナウイルスの真の「アキレス腱」といえる。スパイク蛋白質の保存領域を標的にワクチンや抗体治療剤を開発すれば変異をもっと容易に防げる。

研究チームは今回見つけ出した2個のスパイク蛋白質の保存領域識別クロノタイプが、今後の変異にも効果的な新型コロナウイルスワクチンと抗体治療剤を開発するカギになると期待している。



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