東京五輪関係者として日本に入国した米国人と英国人の４人がコカインを使用した容疑で日本の警察に逮捕された。彼らは夜に東京都内のバーをはしごして酒を飲むなど五輪関連の防疫ルールを完全に無視したことが明らかになっており、いわゆる「バブル方式」の限界を見せたとの指摘を受けている。

東京新聞が１４日に伝えたところによると、警視庁麻布警察署は１３日、東京五輪関連会社のスタッフとして日本に入国した米国籍のブーケ・レイ容疑者（２２）と英国籍のロックウッド・ジョン容疑者（４６）ら男４人を麻薬取締法違反容疑で逮捕したと発表した。

警察によると男らは２日午後８時ごろから東京・六本木のバー２カ所で飲酒し、３～４日には都内でコカインを使用した容疑を受けている。男らが飲酒し麻薬を使った時期は、東京都に新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた蔓延防止等重点措置が出され、飲食店などの営業が午後８時まで認められた状態だった。


特に男らは大会組織委員会が五輪関係者の行動規範を整理した「プレーブック」を複数回にわたり違反したという。プレーブックの規定によると、大会関係者の場合、隔離期間が終わった後も食事は競技場やホテル内のレストラン、あるいはルームサービスやデリバリーなどを利用し部屋でだけでするよう勧告している。

今回逮捕された男らは競技場の発電機のメンテナンスを委託された外資系企業のスタッフで、２月から５月にかけて入国し、１４日間の隔離を経た。その後プレーブックの規定を無視して都内の飲み屋などを歩き回り摘発された。

組織委は五輪選手と関係者らの外部接触を遮断する政策を「バブル方式」と名付けて五輪防疫対策の柱としている。だがすでに東京都内に居住する選手村勤務者２人をはじめ、１２人を超える関係者が新型コロナウイルス陽性判定を受けるなどバブル方式の弱点が相次ぎ現れている。

このうち１３日に開村した東京五輪選手村には酒類持ち込みに続き料理のデリバリーも容認することにしており議論が予想される。

組織委は選手村内にウーバーイーツやアマゾンなどを通じた配達を許容し、新型コロナウイルスに感染しているかわからない配達員が選手村を歩き回れないよう配達物を受け取る場所を選手村内１カ所に指定する予定だと発表した。

だが注文が急増し多くの人が１カ所に集まればむしろ感染リスクが大きくなる恐れがあるとの指摘もある。宅配を通じて酒類が大量流入する可能性も高い。

日刊スポーツは「８人が生活する５ＬＤＫの大部屋もある中で、メダルを獲得した選手らの気分が高揚し、祝勝会へと転じる可能性は考えられる」とし、これを監視する方法がないため飲酒パーティーによって選手村が感染クラスターになる最悪の状況も生じかねないと警告した。