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【中央時評】「年齢執着社会」 その危険性と後進性=韓国(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
進取性や保守性は年齢と全く関係ない。現在の米国政界で最も進取的な政治家の一人、バーニー・サンダースは79歳だ。進歩の立場の下院議長ナンシー・ペロシは81歳だ。最高裁判事だったルース・ベイダー・ギンズバーグはジェンダー平等と労働者の権利のために進歩的な少数意見を主張しながら87歳の年齢まで仕事をした。米国大統領ジョー・バイデンは30歳だった1973年に上院議員として政治に入門した。トランスジェンダーを含む性的少数者の人権拡張と女性の選択権を支持する進歩的大統領だ。彼は78歳だ。一方、30歳で政治に足を踏み入れたヒトラーはその「若い」年齢ですでに「政府の目標はユダヤ人を完全に除去すること」という反倫理的な主張をした。公正と能力という命題の下、実際には多層的嫌悪をその政治的基盤とし、女性運動や労働運動などに対するバックラッシュを通じて大衆を被害意識と怒りで扇動する「若い」政治家はあちこちにいる。

年齢執着主義はなぜ問題なのか。まず、年齢による関係の序列化と位階主義を持続的に再生産する。2つ目、年齢に基づいた均質化(homogenization)を固着させる。特定の年齢というものがあたかもその人の性向、個性、価値観などと関係なく同じように考えて行動するという前提を自然的なものとする。3つ目、公私区分の公正性と年齢差別を超える平等性の価値を実践しにくくする。この点で極めて反民主的だ。

5・18光州(クァンジュ)民主化運動または4・16セウォル号惨事など特定の社会歴史的事件を経験した同じ世代だからといって、人々がその事件に対して同じ考えをするわけではない。自動的に構成される「同質的世代意識」というものはないということだ。意識とは個人の価値観・人間観・歴史観・政治観など多層的な要素によって形成される。


年齢や世代はその人の革新性または保守性を計ることができる決定因子にならない。年齢執着主義は私たちの思惟を一面的にする「均質性の価値」を強化する否定的な機能をする。韓国社会が抜け出すべき深刻な社会的疾病だ。韓国社会が年齢執着主義に束縛される時、技術・経済領域では先進国に入るかもしれないが、政治・法・文化・宗教・学問など多様な領域ではその後進性を決して抜け出せなくなるだろう。

カン・ナムスン/テキサスクリスチャン大学ブライト神学大学院教授


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