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【時視各角】失明危機のNANTA企画者の「耐えて、また耐えて」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ソン・スンファン

2年前のこの時期。明洞(ミョンドン)で彼に会った。ソン・スンファン。俳優と呼んでほしいと言うが、教授・演出家・文化CEO(最高経営責任者)としてのほうがよく呼ばれている名前だ。ソン氏は私を真っすぐ見つめることができなかった。横から見た。網膜の視細胞が中央から失われていくとこうなると話した。ソン氏は「視力障がい者がなぜ人を横から見るのか分かるようになった」と言った。彼は視力を失いつつあった。

その年3月ごろからだったという。彼が一世一代の仕事、冬季オリンピック(五輪)の開・閉会式の総監督を無事に終わらせた直後だった。最初は過労のせいだと思った。違っていた。休息を取ったものの効果はなかった。ソン氏は暗くなっていく世の中を少しでも何とかしようともがいた。世の中の名だたる医者のもとを一人残らず訪ね歩いたと話した。ソン氏が聞いた答えは「分からない」だった。理由も、治療法も分からない。一番苦しいのは「いつ完全に世の中が閉じられるのか、その日も分からない」という事実だった。彼は当時、代替医学に最後の希望を託していると話していた。事実は藁にもすがる気持ちだが「それすらしなければ方法がないのでやっている」とした。

ソン氏は誰もが知る有名人だ。だからこそ辛いと話した。誰か分からず、先に挨拶することができない。ソン氏は携帯電話の文字を大きくする方法や電子メールを音声で聞く方法を学んだとし、まるで子どものように面白がった。ケーブルテレビで映画を見たいが、最近は吹き替え映画があまりないとし、プロバイダに苦情を入れなければならないとも話した。暗くなるとさらに視界が狭くなるため、いつも携帯しているという懐中電灯がどれくらい明るいか照らしてみせてくれた。


ソン氏はそのとき一つ願いごとができたと言った。自分の顔をもう一度見ることができたら、と。舞台にあともう一度だけ立てたら、と。ソン氏と別れた帰り道、バスで私は泣きに泣いた。いつも明るく余裕があったソン氏は、世の中の光が遠ざかる瞬間でも変わらず明るかった。だから私は余計に悲しかった。

2年の歳月が流れて月曜日の夜。私はソン氏と再会した。貞洞(チョンドン)劇場の舞台でだ。ソン氏は演劇「THE DRESSER」の老俳優役を熱演した。もう立つてないかもしれないと思った舞台だったからだろうか。手足の動き、身振り一つ一つに渾身の力が込められているようだった。演劇を見ている間、私の胸は痛かった。この作品は彼が自ら選んだ。

舞台は1942年、第2次世界大戦真っ最中の英国ロンドン。ドイツ軍の空襲で市民の人生は混乱と暗鬱一色だった時期。砲火の中でも続いた演劇公演がせめてもの慰めだった。三流劇団の団長である老俳優は「生涯初めて未来が自分から逃げていってしまった」その日、最後に渾身の演技をして死を迎える。「時々、私のことを語ってくれ。俳優は他の人々の記憶の中だけに存在するから」と言いながら。

私はソン・スンファンがなぜこの作品を、もしかしたら自身の最後の舞台になるかもしれない公演作として選んだのか分かる気がした。ソン氏は視力が回復したから舞台に再び立ったのではない。ある日、視力の悪化が止まった。昨年末だった。彼には奇跡のようなことだった。毎日小さくなっていた世界がこれ以上小さくならなかった。ソン氏にはそれで充分だった。

公演が終わり、カーテンコールで彼はしばらく涙声で話した。ソン氏は「もう二度と立てないと思っていた舞台にもう一度立てることになった」「皆さんが心配してくれる気持ちと祈りが私を奮い立たせた」と話した。ソン氏が演劇の中のセリフ「この暗鬱な世の中、大変な時期を耐えて耐えてここまできた」と語るとき、彼が「耐えて、また耐え抜いた」歳月がそっくりそのままセリフに染み込んでいるようだった。

今がソン氏にとっては人生最悪の時期かもしれない。個人だけでない。会社(PMCプロダクション)も忍耐期に入った。97年から続けてきたNANTA公演も今年初めに中断した。そのような彼がドイツ軍の空襲に震える恐怖の世界を舞台に呼び出した。「砲煙の中でもショーは続けなければならない」と言って。パンデミックに震えている最近の世の中は、そのときの恐怖をリアルタイムで召喚する。それでもショーは続かなければならない。このようにしてソン氏はこの大変な世の中、暗鬱な時期に自身の道で生きていく方法、生き残る方法を世の中に伝えた。私は何を伝えることができるだろうか。30年の知己が投じた問いに答えなければならない。

イ・ジョンジェ/中央日報コラムニスト



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