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【社説】民間人を殺害した北朝鮮の蛮行を糾弾する

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮が21日、延坪島(ヨンピョンド)沖で長時間漂流して力尽きていた大韓民国海洋水産部の公務員イさんに銃撃を加えて殺害し、遺体に油をかけて毀損した。「天人共怒」の蛮行だ。北朝鮮は最近、コロナ防疫を理由に「国境地帯1キロ以内に接近する外部の者は射殺する」という、文明国家では想像もできない反倫理的な守則を決めたという。しかしいかなる名分であれ、非武装の民間人を射殺して遺体を燃やした行為は許されない。戦時にも民間人の射殺を禁止するジュネーブ条約を正面から違反した国際的な重犯罪だ。またイさんが射殺された場所は9・19南北軍事合意書で一切の敵対行為を禁止した緩衝海域だ。北朝鮮は南北軍事合意も破ったのだ。

韓国軍は、冷たい秋の海で40時間ほど漂流したイさんを北朝鮮水上事業所の船舶が発見し、越北の経緯を追及した後、海上に長時間放置した過程を把握していた。当時、北朝鮮側にイさんの送還を要求しながら迅速に対応していれば、Aさんが6時間後に射殺されて遺体を燃やされるという最悪の事態を防げたかもしれない。しかし軍は「我々の領海でない」として眺めていた。軍の存在理由である国民の生命保護をしなかったのだ。さらに「北がそこまでするとは予想できなかった」という弁解に加え、「9・19合意に銃を撃ってはいけないという規定はない」と北朝鮮をかばう態度を見せ、あきれるしかない状況だ。

イさんは子ども2人がいる平凡な家庭の家長だ。ところが軍はイさんが北側に渡ろうとして殺害されたと発表し、疑惑を増幅させている。イさんの業務(漁業指導)は船から転落する事故もあり、漂流して北朝鮮水域に入った可能性もあるからだ。たとえイさんが越北を図ったというのが事実だとしても、北朝鮮側がなぜ射殺したのかも疑問だ。7月に韓国で性犯罪を犯して北側に戻った脱北者は、北朝鮮に無事に入ったほか赦免まで受けたという。政府が南北関係の悪化を憂慮して明確な証拠もなくイさんを「越北」と決めつけたのではという疑惑が提起される理由だ。


今回の事件が公開された時点も深刻な問題だ。軍は21-22日に発生したイさんの行方不明・死亡事件について閉口してたが、メディアが国会発で報道を始めると24日午前になって公開し、隠蔽・縮小疑惑を自ら招いた。青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の対応も疑惑だらけだ。青瓦台はイさんが殺害された直後の21日午後10時30分ごろ関連機密情報を入手し、3時間後に国家安全保障会議(NSC)を開いた。それだけ事案を重く受け止めていたという証拠だ。にもかかわらず文大統領はその直後に画像で進行された第75回国連総会の基調演説で南北終戦宣言を提案した。

青瓦台は「演説は15日に録画された内容であり、情報の信憑性が確認されなかったため、演説をそのまま送りだした」という。非常状況だったにもかかわらず、北朝鮮に融和的な内容が入った演説を修正なく送りだした点は、「終戦」イベントに執着して国民の生命は後まわしにしたのではという疑問を抱かせる。青瓦台は今回の事件が文大統領にいつどのように報告されたのか、また、終戦宣言演説がそのまま出た理由について明らかにする必要がある。与党も野党の常任委開催要求に応じて国会レベルで透明に真相調査をし、責任者の問責と再発防止対策の樹立に全力を傾けなければいけない。北朝鮮側が責任を取って謝罪するのは言うまでもない。



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