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検査もしていないのに「私はすでにコロナ感染後に完治した」…米国で数千人に珍現象

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
数多くの米国人が、自身はすでに新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)にかかっていると確信する現象が現れているとワシントン・ポスト(WP)が6日(現地時間)、報じた。WPはこれを「thinkihadititis」という現象で紹介した。

自分はすでに新型コロナに罹患して、治っていると考えることだ。実際、世界保健機関(WHO)は新型コロナが昨年から中国や欧州などで静かに伝播していた可能性に注目している。

◆コロナ抗体がすでに体内に生成されていることを望む米国人


WPによると、米国カリフォルニアに暮らすバーバラ・オドネルさん(62)は昨年11月の感謝祭の前に、新型コロナと同じ症状があったと同メディアに回想した。カリフォルニアで海外渡航歴と無関係の新型コロナ最初の事例が報告されたのはそれから2カ月後だ。

米スタンフォード医科大学のエラン・ベンデビッド副教授はオドネルさんのような数百人~数千人の米国人から「私は新型コロナにすでに罹患していたと確信する」という電子メールを受け取っていると伝えた。彼らは昨年、自身が新型コロナと同じような症状を体験したとして「新型コロナだったのだろうか」と尋ねるのではなく「確信している(I’m sure)」と話しているのが特徴だ。

WPは、自分が新型コロナにこれから罹患することを願っている米国人はいないが、新型コロナにすでに罹患して過去のことになっていることを望む米国人が大部分だと解釈して「thinkihadititis」も伝染性が強い現象だと紹介した。自分が新型コロナをすでに体験しているため体内に新型コロナの抗体が生成されていてほしいとする希望と、そのような希望を後押しするだけのニュースが流れていることから来る確信が、このような現象を作っているという。

これに関連して、映画『ザ・ソプラノズ』の俳優マイケル・インペリオリは最近、「私は2月にすでに新型コロナに罹患していた」と主張した。歌手マドンナも先月30日、SNSに動画を投稿し、「私は新型コロナの抗体があるからドライブを行く計画」と綴り、数日後に知人の誕生日パーティーに出席して論争を巻き起こした。

◆コロナ発生源論争の副産物

米国と中国の新型コロナ発生源論争も米国人の「thinkihadititis」現象をあおった可能性がある。発生源論争の渦中に武漢起源説をひっくり返すような反証も出ているが、これによると昨年すでに新型コロナが発生して中国ではない地域でも広がっていたという。

最近、フランス・パリのある医師団体は、昨年12月からパリで新型コロナが広がっていたという証拠を突き止めたとし、これを「国際化学療法学会誌」に発表した。また、英国ケンブリッジ大学の研究陣は新型コロナのゲノム塩基配列1000個余りを分析した結果、新型コロナが初めての発生したのは昨年9月~12月の間、湖北省武漢よりも南側の中国地域で起きたと推定されると明らかにした。世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスが動物を宿主に自然発生したとみている。

自身がすでに新型コロナに罹患していたことを希望する米国人は、すでに昨年から米国でも新型コロナが流行していた可能性に注目している。だが、WHOはコロナ発生源の経路追跡作業とは別に、米国人のこのような推測を警戒している。

まだ新型コロナ抗体の抗ウイルス効果に対する研究が進行中で、実際に患者の中でも再陽性となっている事例も少なからず出ているためだ。「thinkihadititis」現象が流行しながらマドンナがそうしたように、数多くの米国人が「私は抗体を持っている」と考えてソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)をおろそかにしかねないためだ。



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