韓国政府が「ポスト・コロナ」時代の新産業戦略を提示した。Ｋ－防疫、Ｋ－バイオなどをグローバル商品に作り、新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）によって被害が大きかった主力事業は新産業として再編する。米国・中国など主要国が１－３月期にマイナス成長となったうえに、今後感染病事態が再び発生する可能性があり新型肺炎以前と異なる産業戦略が必要だという指摘によるものだ。

成允模（ソン・ユンモ）産業通商資源部長官は６日、ソウル大韓商工会議所で「ポスト・コロナ産業戦略対話および産業・危機対応班」の第１回会議を開いて新型肺炎以降の５大分野として推進する８大対応課題を発表した。この席には現代自動車のグローバル経営研究所、ＳＳＧドットコム、ＳＫバイオサイエンスなど主な企業と大韓商工会議所、韓国航空協会など経済団体関係者が参加した。

産業部はこの日、会議で新型コロナ以降大きな変化が予想される５大分野は保健・環境、経済活動、企業経営、社会価値、交易環境を挙げた。この中で保健・環境分野でＫ－防疫とＫ－バイオを「新韓流」として育成する。世界２位水準のバイオ医薬品生産能力に基づいて世界的なワクチン生産中心国として飛躍するという計画だ。韓国内のワクチン委託生産施設である微生物実証支援センターと動物細胞実証支援センターも積極的に活用するという考えだ。成長官は「検査キットのウォークスルー、接触者の追跡調査など成果が立証されたＫ－防疫システムの世界進出を推進するだろう」と説明した。


感染病が再び発生しても生産支障を最小化することができるよう産業現場復原力も高めることにした。ロボットと人間が共同作業する方式で産業現場を設計し、生産ラインを再配置するなど産業の知能化を通じて感染病による生産支障を最小化するという方針だ。また、グローバル・バリューチェーン（ＧＶＣ・企業の製品・サービス生産が複数の国にかけて起きること）変化と供給網の再編に備えて海外進出企業のＵターンも活性化することにした。

５Ｇなどデジタルインフラを活用した「非対面」産業の先取りにも出る。オンライン流通、エデュテック、スマートヘルスケアなど関連事業に対する投資を拡大する。原油価格が下落する時代に備えて再生可能エネルギーや水素経済などエネルギーの転換も加速化する。鉄鋼産業は水素還元製鉄、石油化学は高付加価値化学素材、精油産業はバイオ燃料など新しいエネルギーの基盤で産業構造を革新するという計画だ。

自動車・鉄鋼など主力産業も水素燃料電池のコア部品の製造と高付加価値鋼板などに果敢に再編されるように支援することにした。主力輸出品であるシステム半導体分野の場合、中堅ファウンドリ企業（製造を専門担当する生産専門企業）が新規生産ラインの一部を中小ファブレス企業（ファウンドリ企業が製造する半導体の設計専門会社）に開放して月３万枚規模のウェハー生産ラインのうち１万枚以上の利用を支援する。

政府はグローバル交易での韓国のリーダーシップも強調した。貿易障壁が復活するなど経済が「地域ブロック化」する可能性があるためだ。これに伴い、防疫模範国地位を活用して追加的な障壁設定を中止するなど二国間および多国間協議体を通じて保護貿易を打破していくという方針だ。産業部は「ポスト・コロナに備えて各分野政策・戦略をシリーズ別に準備中」としながら「総合戦略である『ポスト・コロナ産業戦略（仮称）』を下半期のうちに立てる予定」と話した。

成長官は「世界的な消費市場である米国の失業率は２０２６年にコロナ以前の水準に回復するという見通しもある」とし、「新型肺炎以前に回復することができないという事実が明らかであるため、過去とは異なる『ニューノーマル』を準備していかなければならない」と強調した。