フィナンシャルタイムズのコラムニスト、マーティン・ウルフ氏が国際通貨基金（ＩＭＦ）の世界経済見通しがとても楽観的だと批判した。「世界経済がいま崩れている」というタイトルのコラム（４月１５日）でだ。彼はいまが第２次世界大戦と大恐慌以降で最悪の「グレートシャットダウン」時代と書いた。

ＩＭＦは１４日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための大規模封鎖措置により世界経済が急激に萎縮し、今年の世界経済成長率がマイナス３．０％に落ち、来年は５．８％に反騰すると予想した。ＩＭＦは下半期にパンデミックが消え徐々に封鎖措置が解除される基本シナリオを仮定した。４－６月期が底という話だが。ウルフ氏はこうした前提をとても楽観的だと指摘した。

もちろんＩＭＦも３つの否定的シナリオを一緒に出した。最初に、今年封鎖措置が５０％さらに長引けば今年の成長率が基本シナリオから３ポイント追加で下がり来年の成長率は２ポイントさらに落ちる。２番目に、来年に新型コロナウイルスが再発すれば来年の成長率は５ポイント追加下落する。３番目に、２つが重なれば来年は８ポイント追加下落する。ウルフ氏はこの３つを「冷静な」シナリオだと評価し、「小さなウイルスが人間の驕りを打ち砕いた」と指摘した。


ウルフ氏は「致命率が管理可能な水準まで下がるまで封鎖措置を解くべきではない」とした。彼は主要２０カ国（Ｇ２０）の共助を強調し、国際協力なくして世界的事態であるパンデミックと「グレートシャットダウン」を解決できないと指摘した。経済国粋主義（自国優先主義）を危険要因に挙げた。彼は「大恐慌当時のように世界経済がばらばらになれば経済が回復しても傷だけが残るだろう」と懸念する。